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2007年09月07日更新

第1回 場当たり的な対応を回避する、「統合マネジメント」の重要性

土谷政則さん

株式会社富士通ラーニングメディア
研修事業部シニアインストラクタ
プロジェクトマネージャ
土谷政則さん

プロジェクトを成功に導くには、プロジェクト推進に関する正しい知識と、そして的確な判断と行動が必要不可欠。それを行なうのがプロジェクトマネージャーで、プロジェクト成功の鍵を握る重要な職種だ。しかし、このプロジェクトマネジメントが的確に実施されていないため、プロジェクトが成功に至らないケースも多い。そこで、ありがちなプロジェクトの失敗例に迫りながら、国際資格「PMP(Project Management Professional)」のバイブルとも呼ばれる「PMBOKガイド」をプロジェクト成功のためにどのように役立てるかを、全10回に渡り解説する。

「KKD」の場当たり的対応を改めるべき

 プロジェクトマネジメントという考え方が浸透する前は、プロジェクトを推進する際の体系的なやり方がなく、KKDと言われていました。“オレの背中を見て学べ”や、“仕事は教わるものじゃなくて盗むものだ”など、現場監督的な人のKKD(Kan=勘、Keiken=経験、Dokyou=度胸)に頼って、プロジェクトが進行していたのです。そのため、人によってプロジェクトの運用や精度にバラツキが生じていました。

 KKDに頼っていると、経験のある案件はうまくいっても、未経験なことやトラブルにはどう対処していいかわからず、行き当たりばったりな対症療法を採ることになってしまいがちです。例としては、売り上げが落ちたから厳しいノルマを課して当面の売り上げを伸ばし、その場を繕うなどのやり方があげられます。これでは根本的な解決にはつながらないですし、後々に別の問題に派生させる可能性もあります。また、経験が少ない故にトラブルへの対応策をすばやく採ることができず、後手後手になってしまいます。それではプロジェクトの成功はおぼつきません。

プロジェクトにおいて“ルール”がいかに重要かということ

 KKDによるプロジェクトの失敗から抜け出すにはPMBOKガイドにも登場する「統合マネジメント」(注1)が重要です。これは、プロジェクトマネジメントで一番初めに行なうこと──マネジメント計画を立てることです。しっかりしたマネジメント計画を立てることが、プロジェクトマネジメントの第一歩と言えます。このプロジェクトマネジメント計画書は、何をいつまでに、いくらのお金をかけて成し遂げるかだけでなく、プロジェクトに関わるすべての行動の指針(ルール)を盛り込みます。

注1:PMBOKガイド
国際資格「PMP(Project Management Professional)」のバイブルとも呼ばれるPMBOKガイドは、プロジェクト管理に関する知識を「スコープ管理」「スケジュール管理」「コスト管理」「品質管理」「組織・要員管理」「リスク管理」「調達管理」「コミュニケーション管理」とそれらを統合した「統合管理」という9つのエリアに分類している。

 プロジェクトマネジメント計画書を作成し、ルールを決めることでプロジェクトの曖昧さを排除できます。これは言い換えればリスクマネジメントであるとも言えるのです。将来起こるかもしれない事態に備えて、プロジェクトを進行させる前にその対策を考える。そうすれば、問題が起こる前に対策が打てますし、もし起きたとしても、その対処方法がわかっているのですぐに対応ができます。

次ページへつづく

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・プロジェクトの実行とコントロール

    
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