駅前探検倶楽部サイト「駅探」
複数の技術やコンテンツ、サービスを組み合わせて、新たなサービスを提供する「マッシュアップ」は、アメリカで「Web2.0」を支える技術としてブームになった。現在は、一時の過熱感はないにしろ、新しいサービスをビジネスにつなげる手法として依然として注目を集めている。積極的にマッシュアップサイトの開発を進めている駅前探険倶楽部のサービス企画部の福岡真澄さんと技術部システムエンジニアの奥津浩一さんに、マッシュアップをビジネスにつなげる試みについて聞いた。
マッシュアップを試す! 新技術の試験運用サイト「駅探ラボ」
電車の乗り換え検索サービス「駅探」が今年で10周年を迎えた。もともとは、1997年にPDAと携帯電話が一体となった端末に搭載する1コンテンツとして開発され、1999年にNTTドコモのiモードが発表されると、1つ目の公式サイトとして採用。今や1カ月のアクセスが1億PVを超えるサイトに成長している。それには、ただの乗り換え検索にとどまらず、利用者の声を吸い上げながら、「何両目に乗ったら乗り換えがラクになるか」や「駅から目的地までの道案内」、「グルメやイベントなどの駅周辺情報」などの実用性の高い情報を追加、提供し続けてきたからであろう。
「『駅探』はビジネスマンが使うのを想定して生まれたコンテンツで、『便利さ』を追求したサイトです。それは今でも変わりません。そのため『より実用性が高いサイトにするには』という視点で、ユーザーのニーズを常に模索しながらサービスを充実させてきました」(福岡さん)
また、同社は現在本サイトである「駅探」のほかに、最新技術を取り入れた実験サイト「駅探ラボ」を運営している。ここでは積極的にマッシュアップを取り入れながら、新たなサービスの開発を進めているという。では、そもそもこの駅探ラボ立ち上げ理由とは何であったのだろうか。
「便利さや実用性を求めると、必然的に技術面で厳しい制約がかかります。新サービスを追加したために、これまで利用できた人が利用できなくなるといったことがあってはならないからです。少し前のプラウザやパソコン環境でも快適に利用できることを考えると、JavaScriptやAjaxなどの新しい技術は使用しにくくなる。ただ、実用面ばかり重視していると最先端の技術に追いつかないし、時代遅れのサービスになってしまう恐れがあります。そこで、新しい技術を使用した新サービスを試すサイトとして『駅探ラボ』をスタートしました。その活動の一環として、マッシュアップも積極的に取り入れています」(奥津さん)
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