受験対策と受験メリット ETECでスキルアップの指針にしよう
ETECを受験する意義は、試験結果が得点と取得点によるグレード(A、B、C)の3段階判定で出ることです。この結果から、自分の組み込みソフトウェア技術の習得レベルを測定できます。強い分野や弱い分野を客観的に判断することもできるので、今後のスキルアップの指針にもなるでしょう。もちろん、転職や昇進試験の際にはスキルを証明する証になります。
ETECはスタートして1年経たない試験で、受験者数はまだ少ないのが現状です。しかし、学校でカリキュラムの1つとして取り入れられたり、企業では能力を測る1つの基準として使うといった事例も出始めています。その際、企業に求められる人材はグレードA判定の人材になります。とはいえ、現在のスキルがAに達していないとしても焦る必要はありません。いきなりAを狙うのではなく、実務経験5年までにAを狙うという目標を立てて、経験を積み、勉強をしていくのがいいかと思います。
学生であれば、まず800点満点中400点を目指しましょう。そのレベルの知識があれば、入社後に困らないと思います。実務経験1年で450点を超えるレベル、その後の経験と知識の積み上げで、もっと上は狙えるようになります。Bの判定を取れるようになると技術者同士のより専門的なコミュニケーションもスムーズに取れるレベルであると言えます。
試験対策は、日常の業務経験と参考書などによる知識の習得です。ただ、参考書だけでの勉強では高得点は望めないと思います。設問の中には、組み込みソフトエンジニアとして業務経験の中で起こる問題への対処法などもあります。日々の業務がそのまま試験対策になると言えるでしょう。
ハードウェアを意識できる技術者は、優良な人材
年々、組み込みアプリ系ソフトの技術者とエンタープライズ系ソフトウェア技術者の仕事内容の差がなくなってきています。かつては組み込みソフトウェア技術者は、メモリ容量やCPUの性能などハードスペックを意識した開発が求められていました。しかし、現在はいずれの性能も上がり、あまりハードが意識されなくなってきています。ただし、ハードを意識して開発している(できる)技術者と、そうでない技術者の間には、人材としての評価に大きな差が出てくると思います。制約の中で高度なソフトウェアを作ることで、技術者としての能力が養われるからです。ソフトウェア技術者全体のスキルの底上げという意味合いにおいても、組み込みソフトウェア技術者の再評価が大切だと思います。ETECは、その一役を担う重要な存在であると考えています。
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