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2007年03月01日更新

実務経験者のためのCCNA試験対策 ナガセPCスクール講師がそっと教える“技術者がハマる問題”とは

小松章一さん コンピュータ専門学校 ナガセPCスクール アソシエイトインストラクター

小松章一さん
コンピュータ専門学校
ナガセPCスクール
エイトインストラクター

 「シスコ技術者認定 CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は米シスコシステムズ社製のネットワーク機器を扱う技術者のための認定資格であるものの、ルーターやスイッチングなどの知識や技術に関する出題が多いため、近年ではネットワークの知識や構築・管理・運用技術を評価するための資格として注目されている。実際、ネットワーク技術者である社員にCCNA取得をすすめる企業も増えているという。CCNAの試験は、問われる知識や技術こそ初歩的なレベルであるものの、現役の技術者だからこそ陥りやすい独特の落とし穴があるという。それは何かを中心としたCCNAの傾向と対策を、ナガセPCスクールのインストラクターの小松章一さんに聞いた。

CCNAは、素早い判断力と状況把握能力に優れたネットワーク技術者の証明

 最近、シスコシステムズ社の資格がシステム企業に注目されています。というのも、自社が抱えるネットワーク技術者がこれらの資格を取得していることが、クライアントに対する技術力のアピールになるからです。たとえ入門編的な試験であるCCNAでも、それは変わりません。CCNAの出題傾向は、基本的に最新の技術に対応した傾向にあります。最近ではISDNやフレームリレーに関する出題が少なくなり、スイッチングテクノロジーやアクセスリストなどのフィルタ技術、NAT(Network Address Translation)に関する出題がとても増えています。

 CCNAで注意したいことは、試験の時間配分の難しさです。CCNAは一般的に、通常問題は1問1分程度、シミュレーション問題は10~15分の時間をかけて解くことが想定されています。ところが、問題を飛ばすと前に戻れないので、やさしい問題から片付けることができません。それに問題1つ1つの難易度も数年前に比べてかなり上がっています。つまりCCNAを取得するには、知識や技術に優れているだけでなく、素早い判断力と状況把握能力が要求されます。だからこそ信頼の証と判断されているのでしょう。

現場経験者ほど陥りやすい! 「問題のクセ」を把握しよう

 CCNAの試験には、技術経験者が間違えやすい設問が多々用意されています。とはいえ、意地悪な引っかけ問題や超難問を設けているわけではありません。大抵の受験者は、ごく単純で基本的な問題で失点しているのです。なぜかというと、「CCNA的に正解」というものがあるからです。CCNAの択一式問題には、明らかに間違っている選択肢のほかに、論理的には間違っていない選択肢が2~3含まれていることがあります。これは「可能な限りこうしてください」という「適応指針」を見る問題で、正解は「シスコ的により適したもの」になります。具体的にどういうことか、下の例題で見てみましょう。単純なサブネット分割の問題です。

■問題
現在のネットワークは1つのサブネットで運用されていますが、組織変更によりサブネットを8つに分割しなければなりません。現在のIPアドレスが192.168.10.0/24の場合、以下のIPアドレスからサブネットを8つ確保できるものを選びなさい。

①192.168.10.0/25
②192.168.10.0/26
③192.168.10.0/27
④192.168.10.0/28
⑤192.168.10.0/29

■正解
 このネットワークのIPアドレスが192.168.10.0/24なので、アドレスはクラスCになります。したがって、前半24ビットがネットワークID、後半8ビットがホストIDとなります。設問に「1つのネットワークを8分割する」とあるので、ネットワークIDのビットを増やす必要があります。たとえば、1ビット増やすとネットワークIDは25ビット、ホストIDは7ビットになります。その場合、ネットワークIDが1ビット増えたので、2の1乗分のサブネットを作ることができます。つまり、192.168.10.0~192.168.10.127(サブネットマスクは255.255.255.128)と、192.168.10.128~192.168.10.255(サブネットマスクは255.255.255.128)という2つのサブネットを作ることができます。

サブネットの分割方法
サブネットの分割方法

 この要領で計算していくと「2の3乗=8」なので、8分割するにはネットワークIDが3ビット増えればいいことになります。ここで注意したいのがサブネットアドレス。192.168.10.0/27のようにサブネット作成用に借用したビットがすべて「0」であるゼロサブネットは、192.168.10.0/24のようなクラスフルアドレスとを混合しやすいので使用しないことが原則とされています(サブネット部が「1」の場合も同様)。

 現役の技術者だからこそ陥ってしまう落とし穴は、ここなのです。近年の現場ではサブネットを最大限に利用するために、ゼロサブネットでも使えるようにするのが主流になっています。そのため、多くの受験者がゼロサブネットのことを考慮しながらも、「現場ではこうだから」という理由で不正解の③を選んでしまうのです。

 ところが試験では、特に注釈がない限り「ゼロサブネットを使用しない」という原則を守らなくてはいけません。そのため解答③では「2の3乗=8」からサブネット部が「0」と「1」の分を引かなくてはならないので「2の3乗-2=6」となり、サブネットを8つ確保することができません。サブネット部を4ビット確保することを考えると、正解は④「2の4乗-2=14」となるのです。

 現場経験がある人では、ついつい自分のフィールドで物事を考えがちになり、現場で使っていない技術を軽視する傾向があります。しかし、それではCCNA試験に合格することはできません。同様に、現場では使わないことが多いルーティングプロトコルもCCNAでは問われます。これも見落としがちな穴といえるでしょう。CCNA資格を取得するには、現場の概念や経験にとらわれず、素直に原点に立ち返って考えることと、「シスコシステムズが求める解答」のクセを練習問題で把握することが大切です。

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