このページの本文へ

携帯電話事業の好調により前年同期比45%の増益に

ソフトバンク、2008年3月期 第1四半期の決算を発表

2007年08月08日 22時14分更新

文● 編集部 飯塚岳史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソフトバンク(株)は8日、都内・日本橋のロイヤルパークホテルに報道関係者および金融・経済関係者を集め、2008年3月期(今年4月~2008年3月) 第1四半期(4月~6月)の決算説明会を開催した。説明会では、営業利益が前年同期比45%増787億円であるとし、携帯電話事業も併せて、着実に前進していると発表した。

説明会には、同社代表取締役社長の孫 正義氏らが出席し、決算概要について説明した。

孫氏

代表取締役社長の孫 正義氏


買収の成功から主軸としての発展へ


孫氏はまず、同社の決算の流れについて「前回の説明では、ボーダフォンの買収が成功したかどうかということについて言及していたが、今回は携帯電話事業が主軸として発展いけるかどうか、という段階である」と説明した。また、“Yahoo!BB”を始めたときの状況と比べて、黒字で進行していることにより「健全にやっていけているのではないか」と語った。

2007年3月期の第1四半期については、まず純増契約者数の増加を挙げ、前年同期の約3万件から約53万件へと、au(KDDI(株))の約52万件を抜いて大きく躍進している(関連記事)。それに伴い、売上高は前年同期比34%増(1688億円増)の6630億円、営業利益は前年同期比45%増(244億円増)の787億円となり、増収増益の第1四半期となった。この利益拡大の要因として、孫氏は「ユーザー数を増やすことができたのが一番の要因」と語った。

業績サマリー

増収増益となった第1四半期

純増数

純増契約数は約18倍に

営業利益

営業利益は前年同期比45%増の787億円に

売上高

売上高は前年同期比34%増の6630億円に


3ヵ月連続純増シェア1位はJ-PHONE時代から見ても初


純増

今年5月~7月はソフトバンクモバイルが純増契約者数1位に

孫氏は、今年5月から7月の純増契約者数が携帯電話3キャリアー合わせて、3ヵ月間連続1位を獲得していることについて、「3ヵ月連続1位は、ジェイフォン(株)やボーダフォン(株)時代を含めても初めて」と述べ、事業の順調さを改めて強調した。また、純増数1位を獲得している理由として、“ネットワーク”“端末”“コンテンツ”“マーケティング(料金)”の4つが要因であると説明した。

要素

ネットワーク、端末、コンテンツ、マーケティングの4つの要素が躍進につながった

基地局

今月1日には基地局4万6000局を達成

特にネットワークについては、時期はやや後ろにずれ込んだものの、ほぼ公約通りの“基地局4万6000局”を今月1日に達成している(関連記事)。孫氏は「買収したときに、自分が使っている携帯電話をボーダフォンに切り替えたが、全然使えなかったら仕事にならないし、非常に心配した。でも、最近はそういったことをまったく感じなくなった」と述べ、「1年間でこれだけ3Gの基地局を設置できたのは、世界でも類がない。ギネスに申請してみては、と思っている」と語った。

また、テレビCMなどを「がんばった」結果として、ブランドイメージが“良い”と答えたユーザーが60%以上にもなったとしている。孫氏は“悪い”と答えたユーザーが“良い”と答えたユーザーの2倍以上にのぼった、2006年11月当時について「大変悲しい現実だった」と語った。

ブランドイメージ

ブランドイメージが向上し、60%以上のユーザーがイメージが良いと答えている

契約者1人当たりの月間売り上げ高を示す“ARPU”では、ほかの携帯電話キャリアーと同様に音声ARPUが下がり、データARPUが上がるという傾向にある。(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの6560円(音声:4440円、データ:2120円)、KDDIの6150円(音声:4350円、データ:2080円)と比べると、同社は5000円(音声3590円、データ1410円)とやや低い水準にあるが、ユーザーの支払い額を見ると、割賦請求分480円が加わり、5480円になるという。

ARPU

ARPUは他キャリアーと同様に減ってきているが、割賦請求分で相殺できるとしている

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン