HD DVDのメリット
RDのHDDに録画した地デジのハイビジョン番組をDVDに書き出すという場合、かなりの時間が必要となる。ハイビジョン番組はファイル容量が大きく、DVD1枚では収まりきらない。そこでRDは番組(動画ファイル)の再変換を実施し、ファイルサイズを小さくしたうえでDVDに記録できる“ぴったりダビング”または“画質指定ダビング”機能を持つ(前者は1枚のDVDにぴったり収まるサイズに画質を自動調整し、後者は画質を手動で設定できる)。
ただ、この機能は番組の長さと同じ分の時間、たとえば1時間のハイビジョン番組をDVDに収めようとすると約1時間かかる。その間、ほかの操作はできない。待ち時間を考えるだけで躊躇してしまう訳だが、そんな場面で役に立つのがHD DVDメディアである。
片面1層15GBという記録容量を持つHD DVDなら、約2時間のハイビジョン番組を再変換なしに、クオリティーを保ったまま書き出すことができる。つまり、再変換を行なう時間を短縮できるのだ。時間を計測してみたところ、1時間の番組を書き込むのに要した時間は約8分30秒と、大幅に短縮できる。
もちろん、ハイビジョンクオリティーを保ったまま外部メディアに番組を保存できる、というメリットもある。実売価格で1枚1500円前後(HD DVD-R片面1層メディア)の高いメディアを使うからには、よりきれいな映像で残したいと思うのは当然だ。
とは思うのだが、私としては後者のメリットはさほど重要視していない。DVDは基本的にRDで見る訳だが、RDのアップスキャンの能力が高く、DVDクオリティーの映像を37インチ程度のハイビジョンパネル搭載の液晶テレビで表示しても映像が粗いとは感じないからだ。むしろ、DVDクオリティーなら連続ドラマ12話分ぐらいは余裕で1枚のHD DVDディスクに収めることができるのは魅力的である。つまり、今のところ1500円のメディアを買う気はないが、使い勝手の面から、メディアの価格が下がれば積極的に使いたい気がするわけである。