要するに“Suzuki”も“Sato”も“Kobayashi”もないし、“Endo”もない。日本は、世界のインターネット人口の10パーセントを占めているのに、300個のうちの5個(つまり2パーセント以下)は、いかにも少ないだろう。なんというか、中途半端以下である。米国以外では、日本とドイツで白熱しているというセカンドライフだが、ドイツの名前も少ない。私は、韓国コミュニティーに紛れ込んだことがあるのだが、韓国で人口の約半数を占めるというキム、イ、パク、チェ、チョンのいずれも入っていない。日本っぽいので苦し紛れな感じなのももう少しあって、
- Kohime 小姫
- Korobase 崑崙八仙
- Mayo 真代(名字とは言えないか)
- Morigi 森木(もりき)さん
- Oh 王さん(中国だとWnagになるでしょう)
なんてのもある。なぜ、能面の“崑崙八仙”が入ってきたのかは不明。“Morigi”は、いかにも森木さんだが“モリージ”と濁るところを見るとイタリアの名前である。個人的に、ちょっとひっかかったのは、
- BoA BoA
- Gynoid 女性型人造人間
- Masala マサラ
- Writer ライター
など。マサラは、名前でもあるかもしれないけどインドの香辛料。これを使おうと思ったんだけど、先に使っている知り合いがいて、わざわざ避けてしまった。ライターは、どう考えても職業名。ガイノイドは、アンドロイド(男性型)に対するガイノイド(女性型)で、これだけやたらに仮想世界にピッタリきてしまう。
言うまでもなく、セカンドライフのほかの仮想空間にない特徴はアバターが空を飛べることである。偶然とは思うが、アヒル関係の単語がいくつか入っている。
- Anatine 動物学でアヒルの仲間
- Balut 孵化直前のアヒルの卵料理
- Loon アヒルの大きさ
日本人にとって、姓をテキトーに決めるのは結構しんどい作業だと思う。
家の制度がどうとか面倒なことは言わないけど、一応、自分の名前である。それが、まあデタラメに付けられるというのなら諦めもつくのだが、プルダウンメニューから選ばされるのがいやなのだ。自分で自分にウソをつくような気分にかられてしまう。
田中さんが「Tatham」(ターさん)とか、春田さんが「Falta」とか、五十嵐さんが「Igaly」(コレは結構いいですね)とかやっても、もうひとつ釈然としないでしょう。
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