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iPhoneは大きな森を生み出す「最初の木」(中編)

2007年02月06日 20時00分更新

文● 林信行 /ITジャーナリスト

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 iPhoneの発表は、これから始まる大きな革命のほんの序章に過ぎない

 結局、iPhoneの何がすごいのか──。その答えを知るには、アップルがiPodをいかに成長させてきたかという軌跡をたどってみると理解しやすくなる。

「iPhone」

「iPhone」



ベストな選択を重ねて、成長してきたiPod


初代iPod

初代iPod

 今、発表されている初代iPhoneは、2001年秋の初代iPodと同じだ。最初のiPodは、Mac専用で音楽再生以外の機能を一切持たない製品だった。

 恐らくあのときのiPodを見て、今日の一大ムーブメントに発展した状態を想像できた人はいないだろう。アップル自身も、Windows版iPodの登場や、ファミリー製品の拡大くらいまでは考えていたかもしれないが、すべてを計画していたわけではないはずだ。

 「iTunes Store」(当時は「iTunes Music Store」)の構想や音楽業界との急接近は計画にあったということも聞いたことがある。だが、iPodブランドがここまで躍進し、既存のデジタル著作権のあり方にまで影響を与えたのは予想外だろう。

 Podcastもアップルの知らないところで草の根的に誕生して広まった。テレビ番組や映画の販売は、iTunes Music Storeを始めた頃にはぼんやりと考えていたのかもしれない。

 しかし、そうした戦略が米国でここまで大成功するとは思っていなかったはずだ。今のアップルの状態は、同社が常にその時点でベストな状況判断を積み重ねてきた結果である。

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