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なぜiPhoneは人々を熱狂させるのか?(後編)

2007年07月09日 08時00分更新

文● 林信行 (ITジャーナリスト)

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アップル対ソニーの激戦、再び?


スティーブジョブズ
iPhoneを持つアップルのスティーブ・ジョブズCEO

 前編中編では、ハード、ソフト、サービス、どの視点から見てもよくできていると、iPhoneの革新性について語ってきた。

 それでは未来はどうなるだろう。iPodが携帯型音楽プレーヤーの代名詞の座をウォークマンから奪ったように、iPhoneも先進的といわれていた日本の携帯電話メーカーをなぎ倒して、このまま世界の頂点に君臨してしまうのだろうか。

 世界の携帯電話市場では、ここ最近ソニー・エリクソンの“ウォークマンケータイ”が非常に好調だ。来年にかけて、再びソニー対アップルの戦いが繰り広げられるかもしれない。

 他社にもチャンスはある。iPhoneはあくまでもパソコンユーザー専用の携帯電話機で、自宅(やオフィスの)パソコンを使ってアクティベートしないことにはほとんどの機能が使えないという、歴史においても類を見ない特殊な仕様になっている。

 前編でiPhoneを使っていると「パソコンすら古くさく見える」と書いた。だからといってパソコンがいらなくなるわけではない。「iPhoneが欲しいから、Macintoshを買う」といった相乗効果が、アップルの本業であるパソコンの地位向上に貢献するかもしれない。



日本版iPhoneはどこから?


 日本のインターネットコミュニティーの関心は、このiPhoneがどこのキャリアから発売されるかに移りつつある。

 NTTドコモがアップルと交渉中というニュースもあったが、ソフトバンクもかなり前から狙っている。auもさまざまな場所で関心を示している。

 アップルがグローバル戦略を重視し、全世界で、できるかぎりハードやソフトを共通化したい企業であることを考えると、有利なのはW-CDMA規格を採用しているNTTドコモとソフトバンクに思える。W-CDMA規格は、世界でもっとも普及しているGSM規格と親和性が高い。ノキアを始めとした端末メーカーは、すでにW-CDMAとGSMの両方に対応した携帯電話機を市場投入している。

 また、(米国でのキャリアーである)AT&T社も次世代高速通信技術にNTTドコモやソフトバンク(そしてイー・モバイル)と同じ“HSDPA”のネットワークを敷設している。そう考えるとauは少し不利だ。

 次の障壁になるのが、料金プランや販売方法だ。製品を使いやすくするために重要な部分だが、保守的なイメージが強いNTTドコモにどこまで覚悟があるのかは気になる。現状では、もともとパソコン業界の発想に近い考えを持っているソフトバンクがいちばん有利にも思える。

 ただし、アップルが常にナンバーワンと組みたがることも忘れてはならない。そう考えると、NTTドコモが有利にも思えてくる。すべてはNTTドコモの柔軟性次第といったところだろうか。


(次ページに続く)

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