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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第151回

炎上中のフェイスブック、社名を変更 メタバースに軸足

2021年11月01日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 Facebookが会社の名前をMeta(メタ)に変更するとのニュースが入ってきた。

 同社は2021年10月28日、プレスリリースや創業者マーク・ザッカーバーグ氏のレターを公表した。

 これらの公開文書によれば、今後、同社が構想する仮想空間「メタバース」(Metaverse)関連の事業に軸足を置くうえで、社名も変更することにしたようだ。

 同社が構想する仮想空間では、実際に人々が働き、学び、遊び、買い物もする。メタは今後、こうした空間の構築を進めていくという。

 ただ、足元の旧Facebookの事業は安泰とは言いがたい。

 旧Facebookの社内からは大規模な内部文書がリークされ、米国の報道各社が連日のように続報を出している。

 流出した文書には、フェイクニュースの拡散や子どもたちのメンタルヘルスへの悪影響などに関する同社の消極的な姿勢を示す資料が含まれている。こうした会社の姿勢に対して、米国の議会からの批判も強まっている。

ザッカーバーグが示すインターネットの「新章」

 メタと旧Facebookの創業者ザッカーバーグ氏が28日に公開した「ファウンダーからのレター」には、彼がイメージする、インターネットの姿が記されている。

 「私たちは、インターネットの次の章のはじまりにいます」

 強調されているのは、メタが開発を進めるメタバースの姿だ。

 「メタバースでは、あなたが想像できるほとんど全てのことができます」

 社名変更に合わせて公開された動画には、ザッカーバーグ氏がイメージする未来が描かれている。

 ネット上に構築された「世界」を、アバター(分身)が歩き回り、人々と出会い、仕事をし、パーティを開き、ゲームをする……。

 おそらく、ザッカーバーグ氏が描く未来像を象徴するのは、動画に出てくるこんな場面だろう。
物理的に距離の離れたカップルがそれぞれ現実の世界で顔を近づける動作をする。すると、仮想空間上でアバターどうしがキスをする。

 メタが公開した動画に含まれるイメージから、必ずしも目新しさは感じない。

 理由を考えてみると、アバターで人々と交流をすることそのものは、ネットゲームなどの世界で形になっているからだろう。

 実際、ネット上に構築されたゲーム内世界で、アバターが生活し、仕事やミッションをこなしてお金を稼ぎ、仲間を見つけて強敵を倒している。ゲーム内で著名ラッパーのコンサートが開かれた事例もある。

 ただ、ゲーム内世界と現実の生活はおおむね切り離されているが、メタバース上では実際の生活や経済、社会と結びついている点に大きな違いがある。

 おそらく、アバターを使ったもう一つの世界の構築は、技術的には十分可能だと思われる。

 いつ現実の企業や人々が、その場において実際に活動をはじめるか、というところまで来ているのではないだろうか。

メタは、メタバースの運営者たりえるか

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