今回のひとこと
「このシャープペンシルは、革新の精神を象徴するものであり、素晴らしい世代から継承したものである。シャープのゲームチェンジをもたらす技術が、人々の生活や働き方を、より簡単に、より安全にしていくことを目指す」
本来ならば隠しておきたかった技術も
創業111周年を迎えたシャープが、同社初の大規模技術展示会「SHARP Tech-Day」を開催した。
1並びとなる11月11日を中心に、10日~12日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催。「Be a Game Changer」をテーマに、初公開を中心にした40種類の独自技術を一堂に展示した。
展示を担当したシャープ関係者からは「もう少し寝かして起きたかった技術」「急いで準備を進めて、1週間前に完成した技術」といった声が聞かれており、本来ならば、隠しておきたい技術まで、SHARP Tech-Dayで公開した様子がうかがわれる。
シャープ 常務執行役員 CTO兼R&D担当兼研究開発本部長の種谷元隆氏は、「SHARP Tech-Dayをきっかけに、開発スピードをこれまで以上に速めたい。来場した企業やエンドユーザーの声から商品化やサービス化の話が出たり、ヒントをもらえたりすれば、それが開発チームを後押しすることになる。開発を加速したり、技術提供を開始するタイミングを早めたりすることにつながる」と、自らを鼓舞する。
コロナ禍では、外部とのコミュニケーションが薄れ、他社との協業が積極化しにくかったこともあり、技術の「出口」が狭まりつつあったともいえるが、SHARP Tech-Dayを通じて、多くの企業との協業を模索し、出口の幅を広げるという狙いもあったといえる。それを裏づけるように、シャープの技術者も、想定していないような用途で、技術の出口を見つけ出すことは、柔軟に対応していく姿勢を示していた。種谷CTOも、「出口のチャンスを見逃さずに、出口の可能性を模索する展示や説明を行ってほしいと技術者には要望した」と明かす。
SHARP Tech-Dayは、シャープの最新技術を単に披露するというイベント的な要素よりも、技術開発のスピードを高め、技術の出口を模索するといった狙いが強いものだったといえそうだ。
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