今回のひとこと
「G7広島サミットで、私から『広島AIプロセス』を提案し、各国首脳の合意を取りつけた。年末に向けて、すべてのAI関係者向けの国際的な指針や開発者向けの行動規範の策定を進め、国際的なルール作りを主導していきたい」
CEATEC 2023は、幕張メッセの会場において開催された。リアル会場で展示とコンファレンスを実施したのは、4年ぶりのことだ。
「デジタルイノベーションの総合展示会」と位置づけ、684社/団体が出展。10月17日~20日までの会期中に8万9047人が来場した。
開催前日には、CEATEC 2023のオープニングレセプションが開かれ、政財界や在日大使館関係者など、約700人が参加して、積極的な情報交換が行われた。
挨拶では、岸田文雄首相が登壇。「今年のCEATECは『次世代』を見据えて、グリーン、デジタル、スーパーシティなどに関する次世代技術やサービスが展示されている。また、ウクライナの企業も初めて出展する。国境の枠にとらわれず、共に未来を創るイベントになることを期待している」とコメント。さらに、「4年ぶりとなる展示会場でのコンファレンスでは、デジタル田園都市国家構想やAIなどをテーマに、各界のイノベーターが集結する。政府としても、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会に向けて、ドローンや自動運転などのデジタルサービスを最速で事業化していく。そのために官民連携による取り組みを前に進めていく」と述べた。
現職の首相がCEATECのオープニングレセプションに参加したのは、2016年の安倍晋三首相(当時)に続いて2人目となる。
パーソナルAIを所有し、マイ・ドラえもんが実現するかも
政府は、CEATECに対する関心は高めているようだ。それは、政策においても、デジタルの存在が、ますます重要なものになっていることの裏返しだといっていい。
オープンニングレセプションでは、総務省の鈴木淳司大臣、経済産業省の西村康稔大臣、デジタル庁の河野太郎大臣が挨拶したほか、開幕後には、それぞれが幕張メッセの会場を視察。また開催初日には、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)の高市早苗氏と、デジタル庁の河野大臣が、それぞれセッションに登壇して講演を行った。現職の大臣が講演を行うのは、CEATECの23年の歴史のなかではじめてのことだ。
高市大臣は、「日本のIT産業が、AI開発力を身につけることに加えて、IT産業以外の業界がAI導入の遅れによって、競争力を失わないようにすることが重要である」と発言したほか、「将来的にはデータセンターの大容量化、低コスト化、省エネ化が進み、分野ごとや業界ごとにチューニングされた多様なAIが登場し、使用できるAIの選択肢が増える可能性がある。個人がパーソナルAIを所有し、『マイ・ドラえもん』の世界が実現するかもしれない。それに伴い、AI関連産業がさらに拡大し、成長する可能性がある」と指摘。
河野大臣は、「高齢化先進国である日本から、人々が便利で、豊かに暮らせるための新たな技術やサービスが生まれ、海外に展開されなくてはならないが、そうはなっていない。サンフランシスコでは自動運転のタクシーが何100台も走っているのに、日本はライドシェアをどうするかという議論に留まっている。これは、規制の失敗である。岸田首相の強い思い入れで、デジタル行財政改革を進め、規制改革、行政改革、財政改革をまとめてやることになった。ぜひ、様々な業界の規制に詳しい人を、デジタル行財政改革事務局に出向させてもらい、規制改革を一緒にやりたい」と呼びかけた。
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