ドコモの新料金プランがわかりにくいという評価を多く見かける。大きく表示されている料金にするには、固定回線のセットやドコモのクレジットカードでの支払いが必要など、どのプランが自分に合っているのか見えにくい。一方で、格安SIMユーザーの視点では、irumoの月550円のプランでドコモのサービスを受けられるようになったというメリットもある。そこで実際にirumoへのプラン変更を試みた。
irumoの月550円のプランは、OCN モバイル ONEとは中身が違う
ドコモのサービスでありながら、最安で月550円のプランが用意されているirumo。そのほかにも3GBプランで月880円の料金をアピールしていたり、広告キャラクターに同じ石原さとみさんを採用するなど、OCN モバイル ONEのサービスを移管したように見えることもある。しかし、サービス内容は随分異なっている。
まず、irumoの月3/6/9GBで大きく表示されている料金は、「ドコモ光」または「home 5G」とセットによる月1100円引き、ドコモのクレジットカードのdカードで料金を支払った場合の月187円引きを含むもので、ユーザーの条件次第で実際の料金が大きく変わる。
たとえば、3GBプランで比較すると、OCN モバイル ONEでは最初から月990円だが、irumoは月2167円と大幅にアップ。そこから前述の割引が適用されることで月880円になる仕組みだ。
一方で、irumoの0.5GBの最安プランは誰が契約しても月550円(逆に固定回線セットの割引などは適用されない)。ただしこれも、OCN モバイル ONEの0.5GBプランとは内容が異なり、通信速度が最大3Mbpsに制限され、接続も4Gのみだ。
0.5GBという容量は、5G接続で状態がいいときに速度計測をしたら1回で終わりになってしまうほど。そのため4Gで最大3Mbps制限というのも、ある意味親切な設計とも解釈できるが、サービス的にはグレードダウンとしか感じられない。
また、0.5GBプランを便利に使う人は音声通話が中心の例が多いことが考えられるが、通話定額のオプションがドコモ仕様になって、料金が高くなっている(かけ放題は1430円→1980円、定額外の通話料は30秒あたり11円→22円)。メールについても、OCN モバイル ONEはOCNのメールアドレスが1個ついてきたが、irumoはドコモメールオプションとして月330円がかかる。
そのほかにも、使い切れなかった通信量の翌月繰り越しがなくなっているなど、違いは細かな部分まで多数ある。もっとも既存のOCN モバイル ONEユーザーはそのままの条件で使い続けられるので、irumoに乗り換えるのはじっくり考えてからでいいだろう。
ドコモの通常プランからの変更は
オンラインで可能だが時期に注意
今回、筆者はドコモ「5Gギガライト」からirumoの0.5GBプランに変更した。最初に言っておきたいのは、5Gギガライトからirumoの0.5GBへの変更は月末以外は損になるということだ。
ドコモでは月の途中でも料金プランの変更が可能だ。ただしそのときのルールがいろいろある。irumoの場合は、5Gギガライトなどからの変更の場合、変更前の月額料金のみ課金されるとある。5Gギガライトは日割りはないので、5Gギガライトの料金が請求される。
つまり、月の始めにirumoに変更してしまうと、5Gギガライトの料金が満額請求されながら、その月は通信量を含めてirumoのサービスしか受けられない。今回はirumoの0.5GBへと変更したが、7月途中にプラン変更した筆者は3465円を払って、irumoの低速で0.5GBの通信量しか使えないことになる。
もし、5Gギガライトからirumoにプラン変更するのなら、まずは一番大容量の9GBプランを選択。月末までに必要なプラン(0.5GBプランや3GBプランなど)に変更すれば、同じ支払い額ながら変更月はより多くのデータが使える。
今回のケースでは、ドコモのプラン変更のパターンにより、即時適用と翌月適用とわかれている。即時適用では日割りでなくどちらかのプランを満額請求されるのだから、よほど変更の時期やパターンを考えないと損をすることになりかねない。
しかも、オンラインでirumoに変更の際は、途中「5Gギガライトの月額料金のみの請求」と注意書きが表示されるのだが、なぜか「初回優遇」や「優遇により」などと書いてあるため、得をするように思えてしまうから、特に注意が必要だ。
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