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災害対策からヘルスケア、AIを活用した広告提案まで 課題解決に貢献するプロダクトが展示

「Deloitte Tohmatsu Innovation Summit 2023」展示会レポート

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

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 デロイト トーマツ グループは、2023年5月18日に東京国際フォーラムで、アジア最大級のイノベーションカンファレンス「Deloitte Tohmatsu Innovation Summit 2023」を開催。社会課題解決の期待を担うスタートアップや外部有識者、オピニオンリーダーを招き、各種セッションや展示会を開催した。

 本記事では、大企業や投資家との商談機会創出を目的に設けられたブースに、自社サービスやプロダクトを用意して出展していたスタートアップ82社から、10社をピックアップして、事業内容を紹介する。

街の有休スペースを備蓄スポットに転換
株式会社Laspy

 災害対策への重要性が増している昨今、個人や法人を問わず、防災備蓄品は常に用意しておきたいところだが、そもそも何を用意するべきかわからなかったり、準備や管理が大変だったりして後回しになりがちだ。また、法人オフィスで社員全員分の備蓄品を用意しようとすると、保管スペースを確保するのも大変になるという問題を抱えている。

 そこでLaspyは、街中の遊休スペースを備蓄庫として活用。契約者の拠点近くにスペースを用意し、備蓄品を保管してくれる。また、賞味期限が切れた品の入れ替えなども一括で行なってくれるので、管理の手間も省くことができる。

ヒトの生体データから「脳の動き」や「感情の動き」を推定・数値化
株式会社リトルソフトウェア

 リトルソフトウェアは、脳波や心拍、表情などの生体データをもとに推定・数値化した脳の動きや感情の動きを分析するサービスを提供している。

 専用の測定機器を装着して収集したデータを商品開発やメンタルヘルスケアなどの分野で活かせる。例えば、2種類の香水をかがせて、「好き」や「リラックス」など、被験者が感じた反応を取得することで、客観的なデータを手に入れることができる。さらに、測定データを元に、トレーニングや作業の生産性など、認知力を可視化、向上するためのソリューションやコンサルティングも可能だ。

同時通訳機能付きの議事録作成・共有ツール
quintet 株式会社

 quintetが提供する「One Minutes」は、多言語間での会議をリアルタイムでAI翻訳、テキスト化して、議事録を作成してくれるサービスだ。

 英語や中国語などの外国語が話せなくても、日本語で話しかければ画面上にリアルタイムで翻訳結果が表示されるため、通訳がいなくても国際会議を行うことができる。さらに、AIが会議の重要ポイントを判断し、発言から全体サマリーや課題、決定事項を出力。ミーティングと同時に議事録を作成してチームメンバーに共有してくれる。

藻類株を培養して生成した色調やカロテノイド成分を機能性食品や化粧品などに応用
株式会社アルガルバイオ

 アルガルバイオは、藻類の培養技術の研究開発を行うスタートアップだ。市場や顧客が求める機能に合わせた最適な藻類を作り出して提供している。

 一般的に藻は緑色のイメージがあるが、藻類株や培養方法を変えることで、赤や黄色などさまざまな色に変化する。また、アスタキサンチンやルテインなど、藻が蓄積する成分量を変えることも可能。それにより、サプリメントや化粧品など、必要に応じた機能を持つ藻類を作ることができる。

超微量、局所投薬デバイスで薬剤の副作用を最小限に
アットドウス株式会社

 アットドウスが開発を進めている薬剤投薬デバイス「アットドウス・コア」は、分速0.01mlという非常に少ない量の薬剤を一定速度で投薬できるのが特徴だ。

 通常、がん治療の投薬時には点滴が用いられるが、薬剤が血液に乗って全身に回ってしまい、副作用の原因になる。しかし、「アットドウス・コア」を用いた乳がんの患っているラットに投薬したところ、腫瘍を減少させる抗がん剤治療の効き目を維持しながら、副作用を抑えることにも成功したという。

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