Comet Lake-Sに新製品の予定はなし
さて、次がCore iシリーズ。今年4月3日に、まずはCore i9からCeleronまで、合計22製品を同時発表した。もうすでにおなじみのComet Lake-Sシリーズである。
コアそのものはCoffee Lakeとほとんど差がないが、最大10コアになった。一応インテルによれば、Coffee Lake→Comet Lakeでも多少プロセスの改良で動作周波数を引き上げたとしているが、消費電力を増やしても耐えるように工夫した、という以上ではないように思われる。これらの性能については5月に加藤勝明氏の検証記事が上がっているので、興味のある方はご覧いただきたい。
ちなみに当初の22製品は、TDPが125/65/58Wのいわゆる通常版であり、後追いで5月にTDPが35Wの製品も投入されている。そして7月末、突如Core i9-10850Kがインテルの製品情報紹介サイト「Intel ARK」に出現。8月に発売が開始された。
性能評価はこちらにあるが、おおむねCore i9-10900Kにかなり近い性能でありながら1万円安いというお手頃製品である。
これに続いて他にもなにか出るか? というと、直近でわかっている範囲では特に新製品の予定はない。もちろん、Ryzen 5000シリーズの発売日である11月あたりに向けて、例えばCore i9-10900KFの価格をさらに下げて投入するというような策があるのかもしれない。だいたい今だと市場価格が6万前後であるが、これが5万を切るような価格で投入されたら結構なインパクトはあるだろう。
Gemni Lake Refreshの後継
Elkhart Lakeは2021年第1四半期出荷
ちなみに直近でもう1つ見えているのが、Pentium/Celeron系列である。従来はGoldmont Plusコアを搭載したGemni Lake RefreshことPentium SilverのJ5040/N5030、それとCeleronのJ4025/J4125/N4020/N4120が一応投入されているが、これの更新がすでに発表されている。
今年9月23日、インテルは組み込み向けのTiger Lakeと併せて、特に産業機器向けの機能安全にも対応した組み込み対応のAtom x6000Eシリーズを発表した。
このAtom x6000Eシリーズ(コード名はElkhart Lake)は全部で12製品になるのだが、この中には組み込み向け以外にも利用可能なPentiumとCeleronが2製品づつ含まれている。
分類としてはEmbedded(組み込み向け)ながら、使用条件がPC/クライアント/タブレットということで、それこそ省スペースPCやMini-ITXのワンボードなどで、今後はGemini Lake Refreshに代わって使われていくものと思われる。
このElkhart LakeはTremontコアを搭載し、製造プロセスは10nmである。問題は出荷時期で、現状は発表のみであり、出荷予定時期は2021年第1四半期となっている。おそらく現実的には、次に説明するRocket Lake同様に2021年3月になるものと思われる。
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