大きな差が出るところは通話定額とデータ通信量の繰り越し
見た目的にはあまり差が無いサービスだが、比較的違いが出るのが通話定額オプションとデータ通信量の繰り越し。
通話はLINEで済ませており、電話番号での通話機能は不要なら、UQ mobileでは料金を安くできる。UQ mobileの1回10分までの通話定額「かけ放題」は月額700円で、これを付けなければ、Y!mobileよりも700円安くなる。また、UQ mobileの通話オプションは月60分までの「通話パック」も500円で用意されている。
一方のY!mobileは1回10分までの通話定額は外せない。ただし、通話時間/通話回数が無制限の「スーパーだれとでも定額」が月額1000円のオプションで用意される。通話が多く、かけ放題を最大限活用するならY!mobileだろう。
データ増量キャンペーンに注意が必要!
また、実際の支払額に差が出そうなところとしてはデータ通信量の繰り越しがある。UQ mobileは一般的な格安SIMと同じく、使い切らなかった通信量を翌月まで繰り越せるうえに、翌月のデータ消費は繰り越し分から消費される。一方のY!mobileは繰り越しがない。データ通信の使用量が大きく変わる人は、Y!mobileではより上位プランを選択する必要があったり、データ上限に達してしまいやすいため、ここは不利となる。
さらに面倒な点もある。両サービスともデータ増量のキャンペーンを展開しており、11月29日から新たなキャンペーンが開始されたが、増量分はUQ mobileとY!mobileでは扱いが異なる。
UQ mobileは手動で「データ容量」の追加購入の操作が必要で、あらかじめ設定された分は請求時に無料になるという方法。追加購入した通信量は最終購入から90日有効となる。この通信量は繰り越し分→当月分→追加購入分の順で消費されるので、増量キャンペーンの期間中は毎月無料分をしっかり増やしておけば、使い切らない場合は貯まる一方で、大量にデータ通信が必要になった月に備えることができる。
一方のY!mobileは500MBごとの増量が設定された通信量まで無料となるだけで繰り越しなどはない。オートチャージも設定でき、いちいち手動で増量操作をしなくても利用できるが、回数設定を間違うと請求金額が意図せず上がったり、逆に使い切れなかったりする。特に増量回数が異なるプランを変更した前後やキャンペーン終了後は設定に注意したい。
なお、データ増量キャンペーンの適用期間だが、両社とも加入から約2年間だったものが、11月29日から約1年間に短縮されている。これから加入する回線は期間が短くなっているので、適用が外れるタイミングに注意したい。
Y!mobileはYahoo!プレミアムが無料
Yahoo!ショッピングでの買い物でもポイントアップ
先日、ドコモがAmazonプライムの会費を1年間無料にするサービスを発表したが、Y!mobileならYahoo!プレミアムがずっと無料となる。Yahoo!プレミアムは月額462円なので、Yahoo!系のサービスを最大限活用している人なら、この分が浮く計算になる。なお、Yahoo!プレミアムが無料な点はソフトバンク回線も同様だが、Yahoo!ショッピングなどのポイント増量制度はソフトバンク回線ほどは手厚くない。
それでも毎月、PayPayモール・Yahoo!ショッピング・LOHACOで買い物をしている人なら、Y!mobileユーザーなら通常の1%に追加の4%で5%に(追加分は月5000円相当まで)。月額500円の「Enjoyパック」を申し込むと、さらに5%追加で10%となる(同月1000円相当まで)。このEnjoyパックは毎月500円のクーポンと、データ増量が500円分無料になる。
ちなみにUQ mobileはauのショッピングサイト「Wowma!」の利用時に特典がある。ただ、Wowma!はAmazonやYahoo!ショッピングほど一般的でないのが残念なところ。それでもキャンペーンは多くチェックしてみる価値は大いにある。
エリアや機器の対応には注意したい
これはau/ソフトバンクの回線を使っている場合も同様だが、両サービスエリアが微妙に異なるため、事業者を変えたら圏外や通信が不安定になってしまうということがある。以前と比べてエリアの差は少なくなっているはずだが、それでも建物の奥など、自分の生活圏で差が出てくるという人もいるはずだ。あくまで場所にはよるが、特典につられて変更したら通信が不安定になってしまったということのないようにしたい。
そして、au回線のUQ mobileには端末の対応という問題がある。SIMフリー機のなかにはいわゆる「au VoLTE」に対応しない機種があり、その場合は電話番号を使った音声通話ができなくなる。
また、SIMフリー機の場合はバンド3とバンド8への対応から一般的にグローバル機ほどソフトバンク回線のY!mobileが有利だが、ソフトバンク同様、Y!mobileのSIMには使える端末を限定する“逆SIMロック”がiPhone用SIMなどにあるので、スマートフォンを使い倒す場合は対応に注意したい。
料金は基本的に互角だが、使い方次第では差が結構ある
UQ mobile/Y!mobileはサブブランドとして競合関係にあり、一般的な「月間3GB使い、1回10分間までの通話が無料となる通話定額を付けた場合の月額料金は、複数回線や光回線、初期の割引などが全部なくした素の状態で2680円」という部分では並んでいる。
ただ、お得なサブブランドをさらに活用するには、細かな部分のサービスや料金について自分の使い方に合ってるかどうかをよく整理しておく必要があるだろう。
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