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最新パーツ性能チェック 第266回

GeForce RTX 2080 SUPER解禁!Radeon RX 5700&RTX 20 SUPER徹底比較

2019年07月23日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ

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最新のRadeon RX5700シリーズと
GeForce RTX 20 SUPERシリーズの全面対決

 では今回の検証環境を紹介しよう。RTX 2080 SUPER FEのすぐ上にいるRTX 2080 Ti FE及びそのすぐ下のRTX 2080 FEに加え、前回のレビューでチェックしたRTX 2070 SUPER FEとRTX 2060 SUPER FEとの性能差もチェックしたい。

 さらに7月7日に出たばかりのRadeon RX 5700シリーズとも対決させてみたい。RX 5700シリーズのファーストレビュー記事ではRTX 2070を圧倒したいたが、同シリーズの本当の敵はRTX 20 SUPERシリーズである。NVIDIAとAMDの最新GPU対決という観点でも検証を進めてみたい。

 ドライバーはRTX 2080 SUPER FEではレビュー用β版を使用しているが、その他のGeForceは431.36(DCH)、Radeonは19.7.2を使用している。

検証環境
CPU Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390)
メモリー G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」×2(DDR4-3200 8GB×4、DDR4-2666で運用)
グラフィックス NVIDIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2080 SUPER Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2060 SUPER Founders Edition」、AMD「Radeon RX 5700 XTリファレンスカード」、AMD「Radeon RX 5700リファレンスカード」
ストレージ Western Digital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe、1TB SSD、システムドライブ運用)、Intel「SSD 660p SSDPEKNW020T8X1」(M.2 NVMe、2TB SSD、データドライブ運用)
電源ユニット SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2019 Update)

RTX 2080 SUPERはRTX 2080とRTX 2080 Tiの間に着地

 まずは「3DMark」の検証から始めよう。定番の4テストに加え、DXRを利用する「Port Royal」もテストしているが、Radeon勢はDXRに対応しない(ソフトウェア的に対応できそうというウワサも一部あるが……)ため、空欄になっている。

「3DMark」のスコアー。

 RTX 2080 SUPER FEのパフォーマンスは、RTX 2080 Ti FEとRTX 2080 FEの間に着地しているが、どちらかと言えばRTX 2080 FE寄りだ。TU102コアを採用するRTX 2080 TiとTU104コアを採用するRTX 2080 SUPEERではCUDAコア数の差に加え、メモリーバス幅にも大きな差(352bit対256bit)があるため、TU104コアのフルスペック版かつ高クロックモデルという位置づけのRTX 2080 SUPER FEであっても容易に超えることはできないようだ。

 そして、RTX 2070(≒RTX 2060 SUPER FE)を性能で上回ったRX 5700 XTはRTX 2070 SUPER FEに負け、RTX 2060 FEと価格で並び性能で上回ったRX 5700はRTX 2060 SUPER FE相当の性能であることもはっきりと出ている。RTX 20シリーズの守備範囲を上側にシフトすることでRX 5700シリーズを迎撃しようというNVIDIAの目算は、パフォーマンスにおいては見事成功している。AMDが価格を発売1日前に思い切り下げてきた理由もわかるというものだ。

 消費電力の比較もしておこう。ラトックシステムのワットチェッカー「REX-BTWATTCH1」を利用し、システム全体の消費電力を計測した。システム起動10分後の安定値をアイドル時、3DMarkのTime Spyデモ実行中のピーク値を高負荷時としている。

システム全体の消費電力。

 性能面ではRTX 2080 Ti FEにかなり離されていたRTX 2080 SUPER FEだが、消費電力面ではぴったりと背後につけている。CUDAコア数が増えただけでなく、高クロック化による消費電力増大が効いていることを示している。

 一方で、RTX 2070 SUPER FEのワットパフォーマンスは性能上のライバルであるRX 5700 XTよりも若干良いものとなった。ただし、このグラフは定格運用の話であって、最近話題のRX 5700シリーズの低電圧化運用におけるワットパフォーマンスに関する話題まで考慮に入れると、Radeonもそう悪くないのかもしれない。

 続いては「VRMark」でVR環境における性能をスコアー化してみる。

「VRMark」のスコアー。

 最も負荷が軽い「Orange Room」ではほぼスコアーが横並びになるのは最近のミドルクラスGPU以上では常態化しており、見るべき部分はDirectX 12ベースの「Cyan Room」及びDirectX 11ベースだが超高負荷の「Blue Room」のスコアーだ。ここでもRTX 2080 Ti FEが唯一、Cyan RoomのスコアーがOrange Roomのスコアーよりも高いとう、TU102コアの凄みを示している。

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