情報を得るのに時間がかかってはいけない
エアアジアでは、「イノベーション戦略に重要なものはデータ活用」と位置づけ、財務部門との取り組みを「アジャイルファイナンス」と表現する。
エアアジアのパトラ・ブーサラウォンセCFOは「あらゆるビジネスを成功に結びつけているのはアジャイルな財務/管理会計オペレーションである。つまり、重要な意思決定に必要な会計データを、リアルタイムに利活用できるようにする必要がある。
財務部門が、20日間も待って情報を得ることができるというのでは遅い。グループ全体の財務/管理会計オペレーションの合理化、標準化、自動化を推進することで、財務/管理会計部門は日常的なオペレーションから解放され、ビジネスの成長に向けた分析などの業務に集中することができる。
アジャイルファイナンスによって、CFOが分析に時間を費やさず、最新の情報を活用して、会社の方向性を示していくことができる。膨大なデータを、機械学習を活用して、インテリジェンスを得ることで、会社の意志決定をタイムリーにすることができる」とする。
そして「いまのCFOは、ファイナンスの知識を持つだけでなく、テクノロジーの知識も持たなくてはならない」と続ける。
一方でフェルナンデスCEOは「すばらしいテクノロジーだけでも成功はしない。それを使うための正しい人材がいなかったら、ベストなソフトウェアも、ベストなテクノロジーも、投資の無駄になる。私の仕事は企業文化を作ることである。人材の原石をダイヤモンドに変えることに力を注いでいる。それが、テクノロジーを生かすための手段になる」とする。
この連載の記事
-
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの - この連載の一覧へ