最後の手段としてなら不足なし
明確な目的をもつ魅力的なバッテリー
さて、デザインのユニークさや、市場では希少な存在であることはわかったが、実際にFuel Phone Chargerがどの程度充電能力があるかは気にかかるところだ。実際に、初代モデルは220mAhと極端に小容量であったゆえに、充電時のロスを考えると4年前の小容量のバッテリーを搭載しているフューチャーフォンや初期のスマホでも、数分以下の延長が可能な程度だった。
容量が約2倍近くになった第二世代では、スマホのバッテリーメーターアプリ「Battery Mix」を使って実際に筆者の「HUAWEI P20 Pro」で測定してみた。スマホのバッテリー残が10%~50%になったころでFuel Phone Chargerで10回ほど測定してみたが、おおよそ同じ結果だった。
測定グラフの画面データ掲載例では、筆者のHUAWEI P20 Proの電池残量が10%になってアラートの表示された段階で、満充電したFuel Phone Charger(Type-Cケーブル)で充電を開始してみた。
Battery Mixの結果は、約25分の充電時間でHUAWEI P20 Proのバッテリー残量が10%から16%になったことを示している。もちろん、この充電時間中もスマホは起動状態だ。
HUAWEI P20 Proの内蔵バッテリー容量は3900mAhなので、6%の充電ぶんは234mAh。これはDevotec社の公開スペックともほぼ一致する。今回の充電テストでは、Fuel Phone Chargerの全容量(420mAh)のうち約55%が実質的に充電されたことになり、数字に矛盾はなさそうだ。
HUAWEI P20 ProはLTE環境での連続通話時間が約930分なので、計算上はFuel Phone Chargerを使用することで、約50分強の通話時間延長が実現できることになる。その条件でなら、ほとんど重さを感じない20g(24.99ドル)は、「ココイチイバン」な最後のバッテリーという位置付けを考えると極めてリーズナブルに感じられる。
国内外の市場に目を向けると、値段もスペックもピンキリなモバイルバッテリーの世界だが、「コスパ命」のユーザーだけではない、筆者は新しいテクノロジーやデザインに目を向けることも、なかなかおもしろいことだと考えている。日本からも単にコスパだけを追い求めた商品ではなく、デザインのこだわり、使いやすさ、所有する楽しみ、明快にセグメントされた使い道が提案できる先進的なメーカーが登場することを切に願っている。
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