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SAS Institute Japan主催の本格的なキッズイベント「なつやすみ 親子でデータサイエンス」

データ分析から次の行動を意思決定、SASイベントで小学生がデータサイエンスに挑戦

2018年08月08日 13時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 SAS Institute Japanは2018年8月4日~5日の2日間、都内で未来のデータサイエンティストを育成・支援する「なつやすみ 親子でデータサイエンス」を開催した。同イベントは、分析テーマに基づいた仮説を立ててデータを集める事前準備と、データサイエンスを体験するワークショップの2部構成で実施。応募総数80人から選抜された小学2年生~6年生のお子さんと親御さん計36人が参加した。

 SAS Institute Japan 代表取締役社長 兼 SAS Institute 副社長 日本・韓国地域統括 堀田徹哉氏は、3回目となる本イベントについて、「データサイエンティストの人材育成において一番大切なのは、まだ学校で勉強している皆さんに、データや数字を使う楽しさを知ってもらうこと。『統計やデータサイエンスに興味を持ってもらう』『お父さん、お母さんと仲良くする』『夏休みの自由研究を済ませる』と3つの目的がある」と述べた。

SAS Institute Japan 代表取締役社長 兼 SAS Institute 副社長 日本・韓国地域統括 堀田徹哉氏

 参加したお子さんは事前準備として、SAS Institute Japanが用意したワークガイドに沿った、「分析テーマの設定」「仮説を立てる」「仮説に基づいたデータの収集」の作業を行う。例えば、自宅前を通る時間当たりの交通量や、天候の変化に応じた植物の成長など、身近な事象や興味があるテーマを選ぶ。続いてテーマに沿った仮説を立て、データ収集を実施する。観察や調査は時間を要するため、イベント開催前に宿題として実施してもらい、イベントにはそれぞれが収集したデータを持ち寄った。

 当日は準備したデータを分類・集計し、グラフなどを使ってデータをポスターの形で視覚化する作業に取り組んだ。この過程で子どもたちは、データサイエンティストに必要な統計解析スキルを自然に身に付けられるという。さらに作成したポスターを元に参加者へプレゼンテーションするアピールタイムを通じて、データを分かりやすく明確に他者へ伝えるコミュニケーション能力も得られるだろう。

 開始前は広い会議室で遊びまわっていた子供たちだが、ポスター作りの下書きが始まると、SAS Institute Japan社員のアドバイスを受けながら、皆真剣に取り組んでいた。

持ち寄ったアイディアを可視化するポスター作成にチャレンジする子どもたち

 今回のイベントについて堀田氏に話を聞いたところ、2016年に第1回目のイベントを企画した際は、子供たちが本当に楽しんでくれるか不安があったという。心配で、社員の子供たちにアンケートを取ったところ、「興味がある」との回答が多く、それならばと開催に至った。「イベントの後半になればなるほど、参加したお子さんたちの目が輝いていたのは今でも鮮明に覚えている」(堀田氏)。

 分析とポスターの出来栄えを左右するのは、事前準備の質だ。前述した事前準備で集積したデータと、それに伴う分析結果は顕著にポスターの内容に現れる。「ビジネス上のデータサイエンスも7~8割はデータの準備。ここを体験してもらうのがデータサイエンティストのキャリアとしても重要」だと堀田氏。

下書きを終えたポスターの配色やイラスト・グラフ作成にチャレンジ。その目は皆真剣だった

 社会貢献的な色合いが強い本イベントだが、小学生を対象にアナログでポスターを作る内容にした理由は、堀田氏の原体験によるところが大きい。堀田氏は、学生時代にXYプロットグラフの散布図から規則性を見いだしたことに感動した経験がある。「Excelのようにボタン1つでグラフを作成しても、本当の意味で人材育成とはならない。あくまでも数字から導き出す楽しさを知ってもらい、数学の原点を大切にしたい」(堀田氏)。

 さて、ポスター制作やアピールタイムを終えて迎えた表彰式では、「アイディア賞」「ビジュアル賞」「最優秀賞」を授賞した3組を表彰。アイディア賞は「世界の国々のあいさつの言葉の分布」、ビジュアル賞は「ぼくがよくあそぶ・公園に設置されている自動販売機の数」、最優秀賞は「日本の果物どこ行くの?」が授賞した。

アイディア賞の「世界の国々のあいさつの言葉の分布」ビジュアル賞の「ぼくがよくあそぶ・公園に設置されている自動販売機の数」
最優秀賞の「日本の果物どこ行くの?」

 審査員として参加した文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部 学力調査官・教育課程調査官 佐藤寿仁氏は、「子どもたちの発達年齢に応じて統計レベルの手法が良くなっている。上級生は円や棒グラフなどを使って表現しようと努力しているのが印象的だった。また、(データ集計から得た知見を)次の行動につなげていくレベルの高さは素晴らしい」と感想を述べた。

授賞した3組の子どもたち文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部 学力調査官・教育課程調査官 佐藤寿仁氏

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