■ソフトバンクに牙を抜かれたのでは
最後の宣言「スマホそのまま」では、ユーザー接点を増やすべく、全国の即日開通可能店を今夏中に69店舗から100店舗以上に拡大するという。
LINEモバイルとしては、格安スマホにデビューするにあたって、わざわざ新機種を買わなくても、今使っているスマホをそのまま使ってLINEモバイルにデビューしてほしいというわけだ。
ただ、「今使っているスマホをそのままでソフトバンク回線で使う」となると、最も、LINEモバイルがターゲットにすべき顧客層は「ソフトバンクでiPhoneを使っている客」ということになる。
ソフトバンクでiPhoneを使っているユーザーが、端末そのままで通信料金を安くしようと思ったら、ソフトバンク回線を提供するMVNOを選ぶのが得策だ。
本来、LINEモバイルは、ソフトバンク回線の提供を始めたのだから、ソフトバンクのiPhoneユーザーを狙い撃ちしたプロモーションを展開できるのが理想だが、資本提携の関係にあるソフトバンクを前にしては、どうすることもできない。「ソフトバンクのiPhoneをそのままでLINEモバイル」と言えればいいのだが、結果として「スマホそのまま」という脱力感のあるキャッチコピーしか宣言できなくなってしまっている。
ソフトバンクと資本提携したことで安定した高速な回線を手にしたものの、キャリア傘下ということで牙を抜かれたように見える。結局、LINEモバイルが掲げていた「革新」からは遠ざかってしまったのではないだろうか。
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