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マイクロソフト世界最大の学生ITコンテスト「Imagine Cup 2018」日本予選開催

2018年06月11日 09時00分更新

文● 中山智 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 マイクロフトは2018年4月16日、アメリカ本社が主催する学生向けの世界大会「Imagine Cup 2018」の日本大会を開催した。

 Imagine Cupはマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの発案で2003年にスタートし、15年間でのべ190ヵ国、200万人以上の学生が参加。優勝賞金も8万5000ドル(約970万円)と世界最大規模のITコンテストです。日本大会はその予選に位置しており、日本大会出場チームのうち、優秀賞となった3チームが夏にシアトルで行なわれる世界大会へと出場する。

「I LOVE WRITING CODE」のTシャツを着て大会概要について解説する、Imagine Cup担当の日本マイクロソフト 業務執行役員コマーシャルソフトウェアエンジニアリング本部長 ドリュー・ロビンズ氏

 今大会の応募作品テーマは「世の中にインパクトを与える革新的でクリエイティブなソリューションやサービス」。ビッグデータやAI、Mixed Realityといった最新の技術を取り入れた作品が対象となる。書類選考などを経て日本大会には10チームが出場した。

AIや量子コンピューティングなどマイクロソフトが注力している技術を取り入れていることが作品の条件となる

 日本大会では過去に世界大会にあわせて英語でプレゼンを行なった大会もあるが、今回は日本語でのプレゼンとなり、7分間の作品アピールと3分間の質疑応答によって審査委員が採点する。評価基準は、テクノロジー50%、革新性20%、コンセプト15%、実現性15%という配点。テクノロジーだけでなく、実現性つまりビジネスモデルとして成立しているかどうかにも焦点をあてているのが、Imagine Cupのおもしろいところ。学生時代にマイクロソフトを起業したビル・ゲイツの発案らしい大会といえる。

審査員はドリュー・ロビンズ氏をはじめ全部で6名
プレゼンだけでなくブースにて作品の説明も行なわれた

 Imagine Cup 2018 日本大会に出場した10チームと作品は下記のとおり。

Imagine Cup 2018 日本大会出場チーム
(チーム名/プロジェクト名/所属)

Rein/傘ほーだい/慶應義塾大学、横浜国立大学

 スマホを使って、傘のシェアリングサービスを提供するサービス。傘を収納するボックスには画像認識システムを装備し、傘の返却や貸し出しを検知する。

一定期間は無料で貸し出すビジネスモデルを提案
傘のレンタルボックス内はカメラによる画像認識が行われている

CyberTech/CyberScope/筑波大学

 HoloLensを使った医療用のHMD(ヘッドマウントディスプレー)。ズームなどの操作は手や音声を使わずに、頬などの筋肉を動かすことで発する微弱な生体電気信号を検知することで操作する。そのため、両手を手術のためだけに使用可能となる。2016年大会では筑波大学のチームがOculus Riftを使ったHMDを開発し世界大会に出場しているが、今回はその改良版とも言える。

HoloLensを使った医療用のHMD
手を使わずにHoloLensを操作するインターフェースとして生体電気信号を利用

BLOOD ピッと!/BLOOD ピッと!/弓削商船高等専門学校

 血糖値の測定が針を使わずに行なえるセンサー。代謝熱と血糖値には相関性があることから、実際に血液内の血糖値を計測するのではなく、代謝熱を元に血糖値を予測する非侵襲型 血糖値計測技術を採用している。測定精度は市販の血糖値測定機と比べても、許容できる範囲の誤差とのこと。糖尿病患者やその予備群に対して、食事や運動などのアドバスもしてくれる。

針を刺すことなく血糖値が計測できる
計測器はスマホと連携して使用する

Mediated Ear/Mediated Ear/東京大学

 複数の声や雑音が混ざっていても、Deep Neural Networkを利用し特定の人の声だけを抽出して聞こえるようにした聴覚障がい者に向けた補聴器用のシステム。あらかじめ特定話者の音声を学習し、スマホで学習した人を選択すると、その人の声だけが聞こえるようになるインターフェースになっている。

AIでの処理により、高速かつ少ないデータで処理できるとのこと
対象となる人をスマホで選べば、その人の声だけを抽出して聞こえる

EDGE SPROUT/「ANSHiN」 ブレーキアシストシステム/立命館大学

 子供向けの自転車自動ブレーキシステム。ハンドルのグリップからレバーを握ってブレーキをかけるまでのタイムラグをなくすため、グリップから指を外すのを検知して自動でブレーキを作動させる。またブレーキをかけた状況などをビッグデータとして収集し、安全マップ作成などに活かすことも考えている。

自転車のグリップにセンサーをつけることで、握っているかどうかを判断する
ブレーキングのデータを収集して販売するビジネスモデルを提案

AIChef/Recipio/大阪大学、京都大学、慶應義塾大学

 冷蔵庫に入れる前の食品を撮影してデータとして保存することで、冷蔵庫内にある食品を管理。さらにその食品リストをもとにして、レシピを提案してくれるシステム。スマートスピーカーによる音声認識での操作にも対応し、利用者の好みにあったレシピを提案してくれる。

食材は画像で自動判別しデータ化される
インターフェースにスマートスピーカーを使うことで、調理中など手が使えない状況でも利用できる

Team Emergensor/Emergensor/東京大学

 スマホを持っている人の移動データを元に、非常事態を自動検出し、危険情報を迅速に共有できるサービス。テロなどの事件が起こったときに、いち早く発生場所などがわかるようになる。

テロや災害などをいち早く検知することで、被害の拡大や二次災害も防げる
アプリのマップ上にアラートが表示され、危険地域がわかるようになっている

Telewheelchair/Telewheelchair/筑波大学

 電動車イスに360度カメラを搭載することで、離れた場所からHMDを使ったが遠隔操作が可能となるシステム。360度カメラにはリコーのTHETAを仕様。さらにマーカーによる自動追尾機能で、複数の車イスを隊列にして自動で動かすことも可能。

電動車イスの上部に360度カメラを取り付けることで、車イスを押している人の視線と同じデータをとれる
VR用のHMDを使って、車イスを遠隔操作する

ezaki-lab/EFFECT/鳥羽商船高等専門学校

 海の状態や季節、魚の成長具合をデータとして収集することで、養殖魚へ的確に自動給餌を行う人工知能システム。給餌超加をなくし人手も削減できるため、より効率良い漁業が実現できる。

海の各種状況をデータとして集めて、AIで給餌量を算出
すでに養殖場での実証実験もスタートしている

Team HARO/HARO/東京大学、電気通信大学

 人の顔を検知し、さらに趣味趣向や顔、輪郭などを元にベストな髪型をAIで推測して提案してくれるシステム。実際にその髪型をVGで合成して見せてくれるので、わかりやすい。また、今後はその髪型が伸びた場合など経年変化にも対応する予定とのこと。

輪郭をデータとして取り込んでマッピング
ユーザーの好みをパラメーターで入力し、自動でベストな髪型を提案

 審査の結果、受賞チームは下記の通り。

●優秀賞
 「Mediated Ear」(東京大学)
 「Team Emergensor」(東京大学)
 「ezaki-lab」(鳥羽商船高等専門学校)

●オーディエンス賞
 「Mediated Ear」(東京大学)

●共催パートナー賞/Preferred Networks賞
 「CyberTech」(筑波大学)

●スポンサー賞/LINE賞
 ファイナリスト全チーム

 優秀賞の3チームは、マイクロソフト本社のあるシアトルで世界大会に出場する。現地では日本大会と違い、英語でのプレゼン、質疑応答となる。作品のクオリティーに関しては3チームとも高いレベルにあるので、世界大会でも実力を十分に発揮して、好成績を期待したい。

優秀賞の3チームが世界大会にチャレンジ!!

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