さとうなおきの「週刊アジュール」 第34回
「Build 2018」特別号外:1日目基調講演のAzure新発表まとめ
NoSQLデータベース「Azure Cosmos DB」がマルチマスターの書き込みに対応
2018年05月08日 08時30分更新
Microsoftの年次開発者カンファレンス「Microsoft Build 2018」が始まり、Satya Nadella、Scott Guthrieによる初日の基調講演が、5月8日午前0:30から3:30(日本時間)に行われました。Build 2018に合わせて、Azureに関連するアップデートも多数公開されています。
今回の「週刊アジュール」では、Build 2018特別号外として、1日目の基調講演で紹介されたAzureに関連するアップデートを紹介していきます。
Build 2018の情報はここをチェック
Build 2018カンファレンスには、オンラインでも参加できます。次のリンク先からアクセスしてください。
Build 2018での発表の全体感を掴みたい方は、Storiesでのまとめ、2つのプレスリリース、ブログポストをご覧ください。
- Stories
- Microsoft Build highlights new opportunity for developers, at the edge and in the cloud
- Microsoft empowers developers to build intelligent apps for where the world works
- New Azure innovations are helping developers write code today for tomorrow’s technology challenges
Azure IoT Edgeのランタイムをオープンソースに
Azure IoT Edgeは、分析やビジネスロジックをクラウド側ではなくエッジ(デバイス)側で実行できるようにするサービスです。
Azure IoT Edgeのランタイムがオープンソースにされることが発表されました。
詳細は、ブログポスト「Unlocking the IoT promise—from the intelligent cloud to the intelligent edge」、「What’s new with Azure IoT Edge?」、Azure IoTのページをご覧ください。
Project Kinect for Azureを発表
新たに発表されたProject Kinect for Azureは、Microsoftの次世代の深度カメラとAzureサービスを組み合わせて、エッジでの効率的なAIを可能にします。
詳細は、記事「Introducing Project Kinect for Azure」、Project Kinect for Azure、Perception-powered intelligent edge dev kitsのページをご覧ください。
Microsoft Bot Frameworkのアップデート
Azure Bot Serviceは、チャットボットの開発フレームワーク「Microsoft Bot Framework」ベースのチャットボットをホストするためのサービスです。
Microsoft Bot Frameworkで、100以上の新機能が提供されることが発表されました。具体的には、Microsoft Bot FrameworkのBot Builder SDK v4 プレビューのリリースなどです。
詳細は、ブログポスト「Microsoft Conversational AI tools enable developers to build, connect and manage intelligent bots」、Bot Builder SDKのGitHubリポジトリをご覧ください。
Project Brainwaveのプレビュー
Project Brainwaveは、リアルタイムのAI処理を高速化する、FPGAを使ったハードウェアアーキテクチャです。
今回発表されたProject Brainwaveのパブリックプレビューでは、Azure Machine Learning Servicesを使って、深層学習フレームワーク「TensorFlow」のモデルをProject Brainwave上で実行できます。深層学習フレームワーク「Microsoft Cognitive Toolkit」(CNTK)のサポートも予定されています。
詳細は、ブログポスト「Azure AI Platform announcements: New innovations for developers」、 「AI news from Microsoft’s Build developers conference」、「Real-time AI: Microsoft announces preview of Project Brainwave」、GitHubリポジトリをご覧ください。
Visual Studio App CenterのGitHub統合
Visual Studio App Centerは、iOS、Android、Windows、macOSアプリケーションのビルド、テスト、配布、監視のためのサービスです。
Visual Studio App CenterのGitHubとの統合がサポートされました。GitHubリポジトリ上のモバイルアプリケーションのソースコードに対して、Visual Studio App Centerによるビルド、テスト、配布が可能になります。
詳細は、ブログポスト「New Integrations for GitHub Developers」、「Microsoft and GitHub Present: A Solution for Mobile CI」をご覧ください。
Azure Kubernetes Service(AKS)のアップデート
Azure Kubernetes Service(AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
今回、旧称の「Azure Container Service(AKS)」から「Azure Kubernetes Service(AKS)」に改名されました。
DevOpsのサイクルに必要なすべてを自動的に構成してくれるサービス「Azure DevOps Project」が、アプリケーションのデプロイ先としてAzure Kubernetes Service(AKS)クラスターをサポートしました。
Azure Dev Spacesが発表され、現在プライベートプレビュー中です。Azure Dev Spacesは、個人やチーム向けの迅速にイテレーション可能なKubernetes開発環境です。Azure Dev Spacesを使うと、Visual Studio、Visual Studio Codeなどから、コンテナーアプリケーションを迅速に実行、デバッグ、コード変更することができます。
詳細は、ブログポスト「Kubernetes on Azure: Industry’s best end-to-end Kubernetes experience」をご覧ください。
Azure Cosmos DBがマルチマスターの書き込みをサポート
Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。
Azure Cosmos DBのAzureリージョン間レプリケーションでは、これまでは、読み書き可能な単一の書き込みリージョンと、複数の読み取り専用の読み取りリージョンの構成を取ることができました。
今回、マルチマスターの書き込みがサポートされ、複数のAzureリージョンで読み取りに加えて書き込みも可能になりました。
詳細は、ブログポスト「Azure #CosmosDB @ Build 2018: The catalyst for next generation apps」をご覧ください。
Azure Searchの新機能「Cognitive Search」
Azure Searchは、フルテキスト検索サービスです。
今回、Azure Searchで、新機能「Cognitive Search」のプレビューが始まりました。Cognitive Searchは、Microsoft Cognitive Servicesを活用して、Azure Searchでのインデックス作成時にデータ抽出、自然言語処理、イメージ処理などの機能を追加するものです。
詳細は、ブログポスト「Announcing Cognitive Search: Azure Search + cognitive capabilities」、ドキュメントをご覧ください。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ