オンキヨーとDTSと協業して開発した「2way 4speakers」を搭載
東芝15.6型スタンダードノートPCの音の良さは「スタンダード」ではない
2018年01月29日 17時00分更新
東芝クライアントソリューションが販売する2018年春モデルの「dynabook T75/F」(ウェブ直販モデルは「dynabook AZ65/F」)は、同社がスタンダードノートに位置付ける15.6型ノートパソコンだ。
同社の「スタンダード」に位置付けられるノートは、どちらかというと、メーカーの中で成熟した技術を投入した仕様になる場合が多く、新技術や新デザインはモバイル向けマシンに採用されるケースが多かった。ところがdynabook T75/Fの場合、スタンダードノートをうたいながらも、面白みのある仕様を積極的に採用している。
3社協業による高音質
使っていて第一に気がつくのは、抜群の音のよさである。
ノートパソコンはステレオならまだいい方で、「モノラルのフルレンジスピーカーを一応搭載している」程度にとどめているモデルも少なくない。
しかしdynabook T75/Fの場合、老舗オーディオメーカーのオンキヨーと、高音質化技術を提供するDTSと、東芝クライアントソリューションの3社で協業。3社のエンジニアが音質調整を繰り返したという「2way 4speakers」を搭載している。
2way 4speakersとは、「低域用」と「高域用」をそれぞれ2基搭載しているのを表している。学生の課題や、家族のブラウジング、家庭で処理できる範囲の事務作業など、さまざまな用途に利用されるこのクラスのノートは、自ずと映像を見たり音楽を聴いたりする機会も多くなる。
オーディオメーカーと協業してチューニングしたステレオというだけでも、多くのノートパソコンより音質面で優れているが、さらに低域用のユニットを設けて、ノートの中では最高クラスの音質を実現している。
ボトムケース前面、ちょうどユーザーからデスクあたりに向いている斜めの面にユニットが4基セットされているが、従来、直線的なユニットをボトムケースに収めるため、少し引っ込んだ位置にセットしていたところを、今回はユニットの形状ごと刷新し、ケースの「キワ」にぴったりと沿うようにセットしている。このため、音がダイレクトにユーザーの方へ届く感覚がある。
低域をきちんと表現するためにはユニットを増やしたり、大きめのユニットを搭載する必要があるため、ノートでは低域は切り捨てて中域以上の音にフォーカスしたチューニングが多いが、理想はやはり2ウェイ4ユニットだ。dynabook T75/Fの音質面は、多くのモデルがスペースやコストの都合で、搭載にいたらなかった理想的な仕様を、本当に実現させてしまったと評価できる。
手間をかけた上質な質感
「ただのスタンダード」に収まらない仕様は、デザインにも現れている。
今回試用した「サテンゴールド」というカラーバリエーションは、トップカバーとパームレスト/キーボードフレームがゴールド、ヒンジがメタリックなシルバーで、そのほかの部分がホワイトという配色だ。
最も面積の多いゴールドの部分は、つや消しのヘアラインに仕上げた上から光沢のあるコーティングをほどこしたような質感で、この層状の仕上げに高級感がある。つや消しのヘアラインのみや、光沢のあるコーティングのみでも塗装としては問題ないが、やはり手間をかけた塗装は上質に見えるものである。
特にパームレストは同社がこだわってデザインした部分、ごちゃつきがちなパーツだが、隙間や孔を極限まで減らし、板の上にキーボードが出ているようなシンプルな外観にまとめている。これは美観上のメリットだけでなく、ほこりやゴミの混入を防ぐという実用面でのメリットもある。
明度の高いサテンゴールドは指紋もほとんど目立たず、日常利用には最適。明るいリビングや、落ち着いた書斎、ときにはオフィスに置いておいてもよくマッチするだろう。
100kgにも耐える高い堅牢性
dynabook T75/Fのもうひとつの魅力は高い耐久性だ。
ヒンジやクリックパッドのフレーム部分といった部分にさまざまなテストを実施し、設計段階から堅牢性にこだわって開発している。キーボードやトップカバーなど、思わぬ荷重がかかる可能性のある部分には荷重試験を実施し、100kgfの面加圧試験もクリアしている。
100kgfもの荷重がかかるシーンは少ないように思われるが、危険なのは、バッグなどに収納して電車内に持ち込む場合だ。満員電車で、隣に立った人の肘が当たった状態で、多くの乗客がなだれ込むように入ってきた際の荷重は、瞬間的に100kgfに達することもあるという。15.6型というサイズからいっても、頻繁に携帯することはないと思うが、およそ2.4kgと、十分持ち出せる重量ではある。思わぬ力がかかっても壊れにくいという点は、大きな安心感につながるだろう。
本稿ではdynabook T75/Fの特徴や外観レビューを中心にお届けしたが、次回はベンチマークと、キーボード、ディスプレーなど、実際の試用感を中心にレビューする。
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東芝製ノート共通の注目ポイントとして紹介しておきたいのが、その価格。dynabook T75/Fのウェブ直販モデル「dynabook AZ65/F」の場合、東芝ダイレクトの直販価格は18万6840円からなのだが、Room1048会員(東芝ID)価格は14万2344円(1月26日現在)からとなっている。512GB SSD搭載モデルも16万3944円(1月26日現在)からだ。
このほかの東芝製ノートもかなりお得な価格になっているため、ノートPCの購入を考えている方は、とりあえずRoom1048/東芝ID会員(無料)になることを強くオススメしたい!
dynabook Tシリーズ2018年春モデルの主なスペック | |||
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機種名 | dynabook T95/F | dynabook T75/F | dynabook T55/F |
CPU | Core i7-8550U(1.8GHz) | Core i3-7130U(2.7GHz) | |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 620 | インテル HD グラフィックス 620 | |
メモリー | 16GB | 8GB | 4GB |
ストレージ | 512GB SSD | 1TB HDD | |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット)、高輝度・高色純度・高視野角、Clear Super View液晶、IPS方式 | 15.6型(1920×1080ドット)、広角視野Clear Super View液晶、IPS方式 | |
内蔵ドライブ | Blu-ray Discドライブ(BDXL対応) | ||
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 | ||
主なインターフェース | USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI出力(4K対応)など | ||
サイズ/重量 | およそ幅379.0×奥行258.0×高さ23.7mm/約2.4kg | ||
Office | Office Home & Business 2016 | Office Home & Business Premium プラス Office 365サービス | |
保障 | 2年 | ||
認証センサー | 顔認証センサー、タッチ式指紋センサー | 指紋センサー | |
OS | Windows 10 Home(64bit) |