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業界人の《ことば》から 第273回

顧客に働き方改革を提案するなら、まず自ら実践すべき

2017年11月29日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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保守事業・インフラ・運用構築サービスで顧客を支える

 濱場社長は「お客様を『支え』、『変え』、そして『共に創る』ことを目指す」という方針を掲げている。

 「支える」というのは、これまでのサービスである保守事業に加えて、インフラサービスおよび運用構築サービスが含まれる。前者は大きな成長が見込めないが、後者は成長領域に位置づける。

 「現行システムを守り、安心、安全を提供するという点については、お客様からも高い評価を得ている。その信頼性をベースに、インフラサービスや運用構築サービスを強化したい」と語る。

 「変える」という部分は、新たなビジネスの創出などが含まれる。たとえばそのひとつが「働き方改革」への取り組みだ。

自社サービスを自社に取り入れて働き方改革を促進

 同社では、2010年に働き方改革をICTで支援する「IDリンク・マネージャー」を発売し、2013年には「オフィスまるごとイノベーション」の提供を開始するなど、「働き方改革」には早くから取り組んできた経緯がある。

 とくにIDリンク・マネージャーは、これまで約70社に対して、約18万ライセンスの導入実績がある。先頃、新たにSaaS版を追加し、月額での販売を開始したところだ。

 IDリンク・マネージャーでは、終業時刻前にPC上に定時退社促進や残業申請起票のポップアップメッセージを表示。さらに退社時刻になると、PCを強制終了して、長時間残業の抑止につなげることができるという。今後、IDリンク・マネージャーは、富士通グループ全体への導入も検討されることになりそうだ。

IDリンク・マネージャー

IDリンク・マネージャーの仕組み

 さらに富士通エフサスでは、働き方改革を社内実践。これらの知見やノウハウを提案活動につなげている。IDリンク・マネージャーの自社導入では、1人あたり月7時間程度の残業削減を実現しているという。

富士通エフサス自らも働き方改革に挑んでいる

 「自らが働き方改革を実践せずに、お客様に提案することはできない。デジタル革命の牽引役として、自らが常に変わり、進化し続けることで、お客様の革新を加速することができる。それがいまの時代のやり方である」とする。

社員の意識改革にも着手

 もともと歴史的労働集約型となる保守ビジネスを主軸にしていた企業だけに、その改革は大きな挑戦といえる。濱場社長は2017年4月に人事部門のもとに設置した「働き方改革推進室」を、6月には「組織風土改革推進室」に変更し、社長直轄組織とし、組織風土全体の改革に取り組みはじめた。

 「明るく、元気で、助け合って、クリエイティブで、チャレンジする企業を目指す。定量的な目標を掲げるとそれを目指すことを優先してしまうことから、最初は数値目標を掲げないが、2018年度以降は定量的な目標も掲げることになるだろう。残業時間がどれぐらい減ったかというような目標ではなく、新たな提案がいくつ出たのか、ビジネスにつながるインキュベーションがいくつあるのかといった前向きな数値目標を打ち出していきたい」とする。

 そして、「変える」という言葉には、社員の意識改革も含まれる。

 「これまでは自分からコトを起こすということがなかった。だが、これからは自分からコトを起こすことが大切。富士通エフサスは顧客接点の最前線にある企業であり、お客様のニーズを確実に実現するマインドは徹底されている。そこに自分から仕掛ける感性を加えることが大切だと考えている」とする。

役割に留まらず、現場起点で考える組織へ

 これも「変える」という部分での重要な要素となる。

 「たとえばセキュリティーは、どのお客様も避けては通れない部分であるが、どうしたらいいのかわからないといった課題もある。お客様のニーズを捉えて、どんなセキュリティーソリューションがいいのかを提案をするといったことも、仕掛ける感性の実現につながる」とする。

 同社では社内認定制度として、セキュリティーホームドクター制度を実施。SE、CE、営業を区別することなく、多くの社員がこの資格を取得することで、全社一丸となって、セキュリティー領域において提案できる体制の実現につなげる考えだ。2017年度末までに1000人のスキル認定を目指しているという。

 富士通エフサスは「No.1 Service Front Company」を打ち出しており、同時に実現に向けた宣言として「support & innovate」というキーワードも掲げる。そして、これらの言葉は濱場社長による企業メッセージである「お客様を『支え』、『変え』、そして『共に創る』」ことを目指す」とも重なる。

 「最初に相談をしてもらえる会社になりたい。そしてお客様にとってコクリエイターとして、共に創ることができる企業になりたい。社員の役割が営業やSE、CEということに留まるのではなく、クリエイター、プロデューサー、コーディネーターといわれる役割に進化し、現場起点で考えて、行動する。そんな会社を目指したい」とする。

 No.1 Service Front Companyの達成度合の自己採点は80点。「最も自ら提案できる会社になりたい」と、これまでの組織文化からの変革に挑む。

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