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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第416回

10nmに見切りをつけ低コストの12FFCに注力 TSMC 半導体ロードマップ

2017年07月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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 前回はTSMCのハイパフォーマンス向けで話が終わってしまったので、残るメインストリーム/ローパワー向けの話をまとめておきたい。ただ、その前に前回のテーマに絡むアップデートが2つほどあったので、紹介しておこう。

前回の続きで、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC)のメインストリーム/ローパワー向けのロードマップを紹介する

250WのEUV光源を実装するのはもう少し先
初めて10nmプロセスの売上が実績になる

 まずEUV(Extreme Ultraviolet Lithography:極端紫外線リソグラフィー)について。7月14日付けのEETimesは、ASMLが250WのEUV光源をデモしたという話を報道している。ASMLはNXE:3400Bで毎時125ウェハーの処理速度を実現したとしているが、これは150WのEUV光源で達成している。

 どのように達成したかというと、出力は低いため露光の時間そのものは短くできない。そこで、露光以外(ウェハーの搬入/搬出、位置決めなど)の時間を大幅に短縮することで実現している。これと250W光源を組み合わせると、さらにスループットを上げることが期待できるわけだが、問題はこれがいつ顧客、つまりTSMCやGlobalfoundriesに提供されるかである。

 ASMLは、Semicon Westでこの話を披露したが、250W光源をまだ出荷できる用意はできていないという話であり、実際にこれをNXE:3400Bに組み込んだ状態で出荷できるかどうかは定かではない。

 現実問題として、最初に出荷されるNXE:3400Bはおそらく従来の150W光源を組み込んだままになり、可能なら後でアップデートというあたりに落ち着くと思われる。したがって7nm世代のEUVは、当初は150Wのままで行き、7nmの第2世代、あるいは5nmの世代で250W光源が入ってスループットが上がる、というあたりであろう。

 もう1つの話題は、TSMCが今年第2四半期に初めて10nmプロセスの売上が立ったことだ。

全体のわずか1%だが、第2四半期に初めて10nmプロセスの売上が立った

 現在では売上の1%(第2四半期の売上そのものは2138億6千万NTドル。日本円にして7950億円程なので、1%だと80億円弱)だからそう大きいわけではないのだが、それでも売上があったということはウェハーを完成させて後処理工程に送ったという意味であり、ウェハー枚数で言うならおそらく数万枚をすでに量産し終わったということである。

 もちろんこの大半はAppleのA11と思われるが、サムスンにはやや遅れたものの、インテルより先に10nmの量産を開始できたことは大きなポイントだと思う。

 なお3月の時点でTSMCはウェハー生産能力に関し、2017年は1100万枚相当(300mmウェハー換算)になり、2016年から10%ほど増えているが、この主な部分が10nmプロセス向けだとしている。

 つまり2016年は1000万枚ほどで、ここに10nm向けが100万枚ほど上乗せされたとする。もっとも能力があればフルに生産できるものでもないようで、同社の予定では2017年中は10nm/7nmあわせて40万枚程度、2018年には80万枚で、2019年に120万枚ほど生産の予定としている。

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