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ARMプロセッサ上にWindows Serverを移植して検証開始

米マイクロソフト、Azureを「ARMサーバー」上で展開する計画を発表

2017年03月10日 11時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 米マイクロソフトは米国時間3月8日、組み込み機器向けプロセッサ「ARMプロセッサ」上にWindows Serverを移植し、性能検証を開始したと発表した。将来的に、Microsoft Azureなど同社のクラウドサービスの一部をARMプロセッサ搭載サーバー上で展開する計画だ。

 マイクロソフトは、米Qualcomm、米Caviumなど複数のARMプロセッサメーカーと協力し、サーバー用ARMプロセッサを自社のデータセンター向けに最適化することに取り組んできた。

 ARMプロセッサに注目する理由として、同社はAzureの公式ブログで、(1)多くのプロセッササプライヤーが、コアやスレッド数、キャッシュ、接続オプション、アクセラレーターを積極的に開発していること、(2)ARMプロセッサの開発者エコシステム、ソフトウェアエコシステムが確立されていること、(3)命令セットアーキテクチャー(ISA)拡張のために適している設計であることを挙げている。

 クラウドサービスにおいては、特に、検索やインデックス作成、ストレージ、データベース、ビッグデータ、機械学習など、マイクロソフトが内部で使うクラウドアプリケーションに、ARMプロセッサが有用だとしている。このようなクラウドサービス内部での活用を想定し、同社はARMプロセッサに、Windows Serverの言語ランタイムシステムとミドルウェアコンポーネント、アプリケーションを移植し、性能検証を開始した。

Qualcomm製ARMプロセッサ「Centriq 2400」を搭載したサーバー

 同社は、米カルフォルニアで同日開催された「Open Compute Project(OCP) Summit 2017」において、Qualcomm製ARMプロセッサ「Centriq 2400」、およびCavium製ARMプロセッサ「ThunderX2」上で、Windows Serverを実行するデモを披露した。

Cavium製ARMプロセッサ「ThunderX2」搭載マザーボード

 今回のデモで使用したCentriq 2400搭載マザーボード、およびThunderX2搭載マザーボード(台湾のサーバーメーカーInventecと共同開発)は、いずれもマイクロソフトが開発したOCP仕様のサーバー「Project Olympus」と互換性があり、マイクロソフトのデータセンターにシームレスに導入できるとしている。

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