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ソフトバンクの全面支援で国内展開を開始

ARMサーバーのベアメタルクラウドを展開する米Packetが日本進出

2016年12月19日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月16日、米PacketはARMチップをベースにしたベアメタルクラウドの国内展開を開始した。既存の1/10のコストとベアメタルならではの性能の高さを売りにしており、同社に出資を行なっているソフトバンクの全面支援で国内展開を推進する。

低コスト・低消費電力のARMサーバーのクラウド

 2014年設立のPacketは物理サーバーを専有するベアメタルクラウドを展開しているスタートアップで、グローバルで約5000のユーザーを有する。特徴的なのは、ARMチップを用いたサーバーを採用する点。従来の約1/10となる1時間当たり85円の料金と低消費電力を謳っており、11月に北米でスタートしたARMサーバーのサービス「Type2Aサーバー」は開始2週間で400社のユーザーを獲得しているという。今回、グローバルで4カ所目のリージョンとして東京リージョンを設立し、ARMサーバーのサービスを開始した。

2016年の11月末にARMサーバーを使ったベアメタルクラウドを北米で開始

 Packetが提供する高密度なARMサーバー「ARMv8-A」の開発・製造はフォックコンが担当。英ARMHoldingsのARMv8-Aアーキテクチャを採用したキャビウム(Cavium)製の64ビットThunderXチップを搭載する。2つの48コアを持つThunderXにより、従来の約3倍となる1ラックあたり7300コアの容量が実現するという。

96コアのマルチコアチップを搭載するARMv8-A

 ラウンチイベントに登壇した米Packet CEOのザッカリー・スミス氏は、「われわれはオートメーション(自動化)とは低レイヤに存在すると信じている。特定のハイパーバイザーやクラウドベンダーに縛られるのではなく、自分たちのオートメーションが実現できるはずだ」と、ハイパーバイザーからの解放を謳う。

米Packet CEO ザッカリー・スミス氏

 また、ARMサーバーの提供について、「ARMというとスマートフォンやIoTデバイスをイメージすると思うが、そのイメージを抜本的に変えたい。インテルのクラウドとまったく遜色のないクラウドをみなさまに提供する」と説明。DockerやKubernetes、MesosなどのクラウドネイティブサービスやIoTの利用を想定しており、OSとしては64ビットのRed Hat、Ubuntu、CoreOS、FreeBSDなどのサポートを予定している。さらに高密度なARMサーバーの採用により、低廉なコストも実現。「ゲームを変えるような価格破壊を実現する」とアピールした。

Alibaba CloudとともにPacketを全面支援するソフトバンク

 また、国内での展開はPacketの出資元の1つでもあるソフトバンクが全面的な支援を行なうという。ソフトバンクは、2016年1月からPacketとの協議を始め、Packetへの投資を決定。その後、ソフトバンクが英ARM Holdingsの買収を発表し、スマートフォンやIoTの領域のみならず、クラウドの領域においてもARMの利用を推進していく方向性だ。

 ソフトバンク専務取締役のエリック・ガン氏は、「昨日はAribaba Cloudの日本での展開を発表し、今日はPacketのラウンチを発表できた」とクラウドサービスへの強い意欲を見せた。そして、仮想サーバーをベースにしたパブリッククラウドと比べ、ベアメタルでサーバーが専有できる点、コストと消費電力を抑えられるARMサーバーの優位性などをアピールした。

ソフトバンク専務取締役のエリック・ガン氏

 機械学習を前提としたヘビーな計算集積型コンピューティングに高い注目度が集まる中、今年はクラウド事業者もGPUやFPGAなどのハードウェアをサービスに導入してきた。サービスの詳細は未知数のところも多いが、今回のARMのベアメタルクラウドもこうしたハードウェア回帰の流れの中で、1つの選択肢として浮上しそうだ。

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