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業界人の《ことば》から第229回

テスラのイーロン・マスク語る「すべての乗り物は電動になる」

2017年01月19日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「すべての動く乗り物は電動になる。さすがにロケットはテスラでも電動化できるかは疑問だが、それ以外の飛行機やボートも、100%、電気で動くようになると考えている」(米テスラモーターズのイーロン・マスク会長兼CEO)

 米テスラモーターズとパナソニックは、テスラが米ネバダ州に建設したギガファクトリーにおいて、2170サイズの円筒形リチウムイオン電池セルの量産を、2017年1月4日(現地時間)から開始した。

 ギガファクトリー内に設置されたパナソニックの電池セル工場において、テスラの「Model 3」向けおよび蓄電システム向けの円筒形電池セルを生産。テスラは、パナソニックの電池セルを使った電池モジュールを生産することになる。

 なんといっても驚くのはその規模だ。

テスラが米ネバダ州に建設したギガファクトリー

 ネバダ州北部のリノ郊外にあるギガファクトリーは、まさに山を切り拓いてつくられたような場所で、2014年6月に着工。敷地総面積は12平方kmに及ぶ。敷地面積に「km」という単位がつくのは異例だ。敷地面積はフットボール場換算でおよそ107個分に当たり、米テスラモーターズのイーロン・マスク会長兼CEOも「経済学的な面から限界ともいえる規模を持つ工場。どんな種類の工場においても最大のものであり、建物としても最大。ハムスター500億匹入る大きな土地になる」と、ジョークを交えながら説明する。

 ギガファクトリーの名称は、計画されている生産量がGWh(ギガワットアワー)の単位になることに由来。2018年には年間35GWhの電池を生産する予定であり、これによって、年間50万台のEVを生産できるようになるという。これは、2013年に全世界で生産されたバッテリーの合計数を上回る規模になるというから驚きだ。

 今後、毎月1本ずつ量産ラインを新設することになり、ギガファクトリーがフル稼働した時点では、6500人の従業員が勤務する予定だ。

 2017年1月4日に、ギガファクトリーで開催された電池セル量産開始セレモニーでは、米テスラモーターズのイーロン・マスク会長兼CEOと、パナソニックの津賀 一宏社長が出席。米テスラ・モーテーズのイーロン・マスク会長兼CEOは「EVを長期に渡り、価格を安く提供するためにはこの工場が必要である」と語った。

ギガファクトリーで生産する2170サイズの円筒形リチウムイオン電池
ギガファクトリーのバッテリーセルの倉庫の様子

 マスク会長兼CEOは、ギガファクトリーで生産する電池を搭載したModel 3の航続距離を500kmと想定している。カスタマイズによって、700kmにまで延長することも可能だという。さらに急速充電機能によって充電時間を短くし、より利便性を高めることに取り組む姿勢もみせる。

 「EVをガソリン車より優れたものにするためには、航続距離が大事。航続距離が十分になれば、家だけで充電できるようになり、さらに便利になる。これはスマホやノートパソコンのように、家で充電して、持ち運んで利用するのと同じだ。考えてみてほしいが、もし、スマホがガソリンで動いており、数日に一度ガソリンを入れなければならないとしたら大変なことだろう。つまり、航続距離を伸ばすことと、お求めやすい価格にするということが、すべての人にEVを利用してもらうための鍵になる」とする。

 一方でマスク会長兼CEOは「長い目で見ると、世界中にこのギガファクトリーのようなものを7ヵ所から、10ヵ所つくりたい」との意欲をみせる。

 マスク会長兼CEOがこうした壮大な計画に強い意欲を見せる背景には、全世界にEVを広げるだけに留まらず、さらに多くの乗り物へと電気が広げ、世の中そのものが変わることを想定している点が見逃せない。

訂正とお詫び:初出時、一部表記に誤りがございましたので訂正いたしました。(2017年01月19日)

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