Y/TDP15W U/TDP28W U/H/Sシリーズ揃い踏み!
Kaby Lakeこと第7世代Coreにデスクトップ版とIris搭載版が追加、K付きCore i3に期待大
2017年01月04日 02時00分更新
どもどもジサトライッペイです。Intelが第7世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Kaby Lake)のラインアップを更新しました。昨年8月に発表したY/Uシリーズの追加モデルに加え、Xeonを含むハイパフォーマンスノートPC向けのHシリーズ(TDP45W)、デスクトップPC向けのSシリーズなど36モデル増え、合計42モデルとなりました。
おさらいになりますが、第7世代Coreプロセッサーは第6世代Core(開発コードネーム:Skylake)と同様、14nmプロセス製造で、アーキテクチャーも同じです。では、なにが変わったのか? 4K HEVC 10bitやVP9といった4K動画に使われる次世代コーデックのデコード/エンコードに対応し、動作クロックが前世代よりもやや上がっているのが特徴です。デスクトップ版の詳しいベンチマークは別記事をご覧いただくとして、本稿ではシリーズごとのSKUとどんなPC向けなのかを中心にご紹介します。
薄型・軽量2in1やタブレットPC向けのYシリーズ
Yシリーズ(Kaby Lake-Y)はTDP4.5Wの低消費電力シリーズで、主に薄型・軽量2in1やタブレットPC向けになります。今回追加されたのはCore i5-7Y57。同ジャンルのPCではAtom採用PCもありますが、Atomよりもパワフルなので、複数ソフトの操作など、PCの自力が問われるシーンでは優位でしょう。ただし、そのぶんAtom搭載機に比べて高価なPCになる場合が多いので、普段どんな作業をどんな頻度でやるか見極めてお財布と相談ですね。
スタンダードノートPC向けのTDP15WのUシリーズ
比較的安価なので15.6インチのスタンダードノートPCによく使われるTDP15WのUシリーズ(Kaby Lake-U)。また、TDPが低いので13.3インチクラスのモバイルノートPCでもよく使われています。Core i7-7600UとCore i5-7300Uの新規追加モデルは夏に発表されたモデルよりも最大動作クロックがだいぶ上がっていますね。ふんばりどきによりふんばれる仕様になったイメージです。Yシリーズに比べて、TDPが高く結構パワフルなので普通の作業で使っている限りはまず不満が出るシーンはないでしょう。
モバイルゲーミングPC向けのTDP15WのIris付きUシリーズ
TDP15WのUシリーズにはIntelのCPU内蔵GPUのプレミアムブランドである“Iris”を採用したモデルもあります。Core i7-7660U、Core i7-7560U、Core i5-7360U、Core i5-7260Uの4モデルです。IntelのCPU内蔵GPUと言えば、“Intel HD Graphics”(GT1、GT2)、“Intel Iris Graphics”(GT3e)、“Intel Iris Pro Graphics”(GT4e)でしたが、“Intel Iris Plus Graphics”という新しい呼び名が登場しました。
本来インテルのCPU内蔵GPUはEUと呼ばれるグラフィックスユニットの数でその性能が大方予想できたのですが、現時点では各GPUのEU数が発表されていません。しかし、アーキテクチャーが第6世代Coreと同じなので型番から予想するに、Intel Iris Plus Graphics 640は従来のGT3e(EU数48)であるIntel Iris Graphics 540の後継と考えれば、同CPUを搭載したSurface Pro 4のCore i7モデルぐらいの3D描画性能はあるはず。となれば、モバイルノートPCでも軽量なMMORPGぐらいはフルHDで楽しめるポテンシャルがあることになります。
さらに3D性能が高いTDP28WのIris付きUシリーズ
TDP15WのUシリーズのIntel Iris Graphics 540よりも上位と思われるIntel Iris Graphics 550を搭載した、TDP28WのUシリーズ。Core i7-7567U、Core i5-7287U、Core i5-7267U、Core i3-7167Uの4モデルです。従来の型番ルールに照らし合わせるとEU数は640も650も同じでGT3eのはず。ただし、GPUの動作クロックがやや高めなので性能はこちらのほうが上でしょう。
第6世代CoreではVAIO ZやMacBookなどのプレミアムなノートPCで使われてたラインなので、パフォーマンスはほしいけど15.6インチ並みに大きいノートPCは嫌というわがままさんのためのモデルですな。TDP15WのUシリーズと比べると定格の動作クロックが高いので、バッテリーはある程度で我慢しなければならないはずですが、いまどきはそれでも8時間ぐらいは使えるPCが多いですね。
ハイパフォーマンスノートPC向けのHシリーズ
dGPUといっしょにゲーミングノートPCに採用されることが多いHシリーズ(Kaby Lake-H)。Uシリーズまでがデュアルコアなのに対し、Core i7/i5モデルはクアッドコアとそもそもの地力が違います。Core i7-7920HQ、Core i7-7820HQ、Core i7-7820HK(倍率ロックフリー)、Core i7-7700HQの4モデルは4コア/8スレッド動作でスーパーパワフル。Core i5-7440HQとCore i5-7300HQは4コアですが、ハイパースレッディングに非対応なので4スレッド動作。Core i3-7100Hはターボブーストなしの2コア/4スレッド動作。また、HシリーズはワークステーションノートPC向けのXeon E3-1535M v6とXeon E3-1505M v6もラインアップしております。
ちなみに、HシリーズはdGPUとの組み合わせを前提としているので、CPU内蔵GPUはそこそこのIntel HD Graphics 630(GT2)なのであしからず。
デスクトップPC向けのSシリーズ、K付きi3に注目!
いよいよやってまいりました! 個人的には今回の発表の目玉だと思っているデスクトップ版のSシリーズ(Kaby Lake-S)です。Core i7がCore i7-7700K、Core i7-7700、Core i7-7700Tの3モデル。Core i5がCore i5-7600K、Core i5-7600、Core i5-7600T、Core i5-7500、Core i5-7500T、Core i5-7400、Core i5-7400Tの7モデル。Core i3がCore i3-7350K、Core i3-7320、Core i3-7300、Core i3-7300T、Core i3-7100、Core i3-7100Tの6モデルあります。
なんと言っても注目はCore i3シリーズ初の倍率ロックフリーモデルであるCore i3-7350K(以下、K付きi3)でしょう。つまり、オーバークロックすれば上位のi5/i7に下克上も夢じゃないかもしれません。まあ、2コア/4スレッドなので、さすがにマルチスレッド性能ではそうそう敵いそうにありませんが、1スレッドタスクならワンチャンあるはずです。1000個ロットあたりの価格が168ドルと安価なので、市場価格も期待できそうです。
Intelは第7世代Coreプロセッサー向けのIntel 200シリーズチップセットも同時発表しました。Intel 100シリーズチップセットからPCI Express 3.0のレーン数が増え、主力のIntel Z270は最大24レーン、Intel H270は最大20レーン備え、Intel RSTで管理できるPCI Express 3.0のストレージサポートをIntel Z270が3基、Intel H270が2基としています。ほか、廉価版のIntel B250やビジネス向けのIntel Q270やIntel Q250をラインアップ。
もちろん、Intel 200シリーズチップセット搭載マザーボードは各社から出ますが、そのほとんどがM.2(最大PCI Express 3.0×4接続対応)ポートを2基備え、RAIDに対応しているのが特徴です。ソケットはLGA1151と第6世代Coreのときと同じなので、実は第6世代Coreも動きます。それとは逆に、Intel 100シリーズチップセット搭載マザーボードでも、対応BIOSにアップデートすれば第7世代Coreが動作します。しかしながら、個人的には昨年の後半から続くM.2 SSDのGB単価の値下がりを考えると、安いM.2 SSDを2発買ってIntel 200シリーズチップセット搭載マザーボードでRAIDを組みたくなりますよね。やっぱり。
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