このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第127回

今年のテーマは諦めからの脱却―TOMODACHIソフトバンクリーダーシッププログラム2016

2016年08月19日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

地元の大人に諦めてほしくない!

 筆者は、実際に被災地に行ったこともありましたが、ここ数年は、米国にやってくる高校生を通じて、距離はあるものの対岸である東北地方を見てきました。彼らを通じて、問題の変化や、世代の変化を感じることができます。

 原子力発電所の問題は、やはり依然として大きな注目を集めており、バークレーのキャンパス内にも、「FUKUSHIMA」のスペルや「不核」という中国語の横断幕を見つけることはたやすいのです。それ以外の問題が語られなくなってきたことは、高校生も感じてきた変化だったと言います。

 背筋が伸びる思いがしたのは、「地元にいる大人に諦めてほしくない」という強烈なメッセージでした。震災から5年が過ぎ、高校生たちが感じている閉塞感の一つに、地域内に漂う「諦めムード」と、その固定化があるといいます。

 裏を返せば、そうしたムードを打破したい、と様々な活動に取り組み始めた若者たちが、自分たちの成長によって、活動をより効果的に前に進めようとして、米国行きを志願していたのです。

 昨年までの「自分たちも、なんとかしたい」という意識は、「自分たちが、なんとかしなければ」という危機感に変わっていたのではないでしょうか。

 高校生たちは、自分たちが作成した活動について、帰国してからの3週間のアクションプランを考える事が求められていました。どのように行動を起こすかという方法論を、UCバークレーで学び取っていったのです。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン