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最強の布陣揃う編

漫画家の寺田克也がiPad Proに持つ大きな不満は「複数接続」

2016年07月23日 12時00分更新

文● 四本淑三

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Appleには17インチのMacBook Proを廃止した責任が

寺田 それで、なんていうかなー、ぜんぜんワコムをディスる気はないんだけど。タブレットについては全幅の信頼を置いていますから。個人的には、ワコムにも頑張ってほしいんですよ。ということを、まず書いておいてください。

四本 はい、ワコムのペンタブは最高ですね。

寺田 で、最近は液タブになってきたじゃない。するとさ、画面が近いとピントが合わなくなってくるじゃないか、我々は。

四本 老眼の度合いは日に日にね。でも液タブってそんなに画面小さかったっけ?

寺田 長時間使い続けるには、ちょっときついわけ。オレは25年前に作画環境をデジタルに切り替えんだけど、その際、なにを大切にしたかといいますと、どうやったら長時間使えるかということです。

四本 ああ、目とか腰とか肩とか、いろいろね。

寺田 だからモニターを離して、部屋を明るくして、モニターの映りこみをなくして、机と椅子を合わせる。そうやって気を使ってきて、視力には問題なくやれてきたけど、液タブはそれを打ち壊しちゃう。だから、いままで選択肢としてはなかったんですよ。でも、ワコムが「Cintiq(Cintiq 13HD )」というモバイルの液タブを出してきて、これはWindows用のPainterやPhotoshopが走るタブレットPCとしても使える。これ1枚で、海外で仕事できるじゃんと。

四本 持ち運びできる作画環境が出てきたと。寺田さんは最近、海外の仕事が多いもんね。

寺田 それで一時期、いろいろ試行錯誤したんだけど、どうもしっくりこない。触って最初は動かなくて、しばらくすると動くみたいなレスポンスの悪さがまだちょっとある。絵はやっぱり紙に描くのがベストで、それにどこまで近づいているかが、デバイスとしての善し悪しになるから。それで言うと、ちょっと遠い。

四本 でも、目にきついのはiPad Proでも同じじゃないの?

寺田 これにはそこを凌駕する使いやすさがあるんですよ。あ、でも、ワコムの板タブには全幅の信頼を置いているからね。そこは、もう一度、ちゃんと書いておいてください。

四本 はい、書きました。

寺田 それとさかのぼってみると、海外にパソコンを持って出るようになったのは、17インチのMacBook Proが出たあたりからなんだけど、ここでAppleへの要望を言うと、27インチのiPadを出してほしい。最悪、13インチで4枚使えばいいから、ベゼルがないiPad Proを出していただくとか。そもそも、あの17インチのMacBookを放棄した最悪の決定のね。

四本 ああ、責任を取れよと。あれは音楽やってる人にも非難轟々だったよなあ。

寺田 どこかで取り返してほしいですね。まったく何を考えてるんだ。iPhoneのことしか考えてないんだろうけど。でも、それがiPadにつながって行くんだからいいとは思ってるけど。

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