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山谷剛史の「アジアIT小話」 第127回

インドスマホ「micromax」に見るインド独特のアプリ事情

2016年07月07日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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Micromaxの「CanvasJuice」

Micromaxの「CanvasJuice」

 インドメーカーとしては、トップのポジションである「Micromax」。前回紹介したように、中国市場に進出する意欲を出すも、ハードウェア的は中国製で、スペックは低いし、値段でも負けるというものであった。

 ハードウェアは面白みに欠けるが、プリインストールされているソフトウェアはインド製が多く面白い。インドの先進的なスマートフォンやITサービスの使い方を知る参考になろう。

 そこで、今回はMicromaxスマホにプリインストールされているアプリを紹介する。これらのインドアプリを入れれば、今日からあなたのスマホはインドスマホだ!

「Canvas JUICE 4G」のホーム画面

ガジェットの表示も可能

ウィジェットの表示も可能

最初にソフトキーボードで出てきた単語のひとつが「ナマステ」である

最初にソフトキーボードで出てきた単語のひとつが「ナマステ」である

 ちなみに、世界的な定番アプリはどうかというと、筆者が購入したMicromaxの4Gモデル「Canvas JUICE 4G」においては、Android 5.0の上に、Google Playほか、ChromeやYouTubeはプリインストールされている一方で、Twitterや人気のFacebookはプリインストールされていない。

 また、言語の標準はヒンディー語ではなく英語である。他のインドの公用語も選択はできるが、家電量販店ではすべてが英語設定であった。

ボリウッド音楽が詰まった音楽アプリ「Saavn」

音楽アプリ「Saavn」

音楽アプリ「Saavn」

 Micromaxのスマートフォンのホーム画面には、「Joy」というフォルダーがあり、その中に音楽の「Saavn」や、オフラインで遊べるゲームがダウンロードできる「m!Live」、それに「Amazon kindle」が収まっている。

ゲームがダウンロードできる「m!Live」

 インドの音楽と言えば独特なボリウッド音楽。日本でも中国でも東南アジア各国でも、ネット黎明期から音楽視聴が人気のサービスとなったように、インドでもまたボリウッド音楽などが聴けるSaavnなどのサービスは人気となっている。

 Micromaxのスマートフォンにも入ったSaavnのアクティブユーザーは1800万人いるという。音楽配信でも「Hungama Music」などのライバルサービスがあるが、いずれにしても海賊版の配信が問題視され、正規版を徐々に増やすという、中国でもかつて見た動きがインドで今起きている。

 SaavnでもHungama Musicでも、インドのコンテンツ以外はなし。アプリやサイト上からはWeekly top15が確認できるので、なんとなく音楽を流してみてはいかがだろう。音楽を流したら、Micromaxのスマホが一気にインドらしいスマートフォンに変わった。

「Monster Truck Saga」と「Temple Paradise Dash」

 ゲームに関しては、m!Liveとは別に、横スクロールで車を操作してゴールまで導く「Monster Truck Saga」というタイトルと、同じく横スクロールで主人公が横に走り、時にジャンプをしてゴールを目指す「Temple Paradise Dash」というタイトルが入っている。

 いずれも3回までプレイできて、それ以上遊びたかったら1タイトルにつき99ルピー(150円)で制限なしで遊ぶことが可能……ではあるが、m!Liveにしても上記の2タイトルにしても、昔のFlashゲームを彷彿とする感じで、正直面白くはない。まだインドでの人気ゲーム登場は時間がかかるか。

「Snapdeal」「Scandid」などオンラインショッピングアプリも充実

「Snapdeal」と「Scandid」

 ホーム画面の「Shopping」フォルダーには、地場企業でソフトバンクも出資している「Snapdeal」と「Amazon」のアプリがある。この2つに加えて、「Flipkart」と「Paytm」のアプリがあり、現在のインドの4大ECサイトが利用可能だ。

 SnapdealとFlipkartは日本人が見ても違和感ない、普通のオンラインショッピングサイトで、これを追う形でインドITのメッカであるバンガロールを中心に、Amazonが攻めている。

 Paytmはクレジットカードやデビットカードを使って、プリペイドSIMカードの通話料金のチャージや、同社オンラインショッピングサイトの商品を販売。

 携帯電話料金のチャージのついでに、同サイトで商品を購入するのを狙っているのだろうか、なかなかの人気だ。Paytmが人気ということで、Paytmとまったく同じコンセプトのサイトがいくつか登場している。

 さらに、Micromaxのスマホには「Scandid」というインドのアプリがプリインストールされている。これは製品のバーコードをスキャンすることにより、各ECサイトでの価格を表示して比較するアプリだ。

 つまり、現地で見て、スキャンして、最安値を見るというのが、複数のインドの人気アプリによりできるわけだ。

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