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山谷剛史の「アジアIT小話」 第125回

日本企業参入で大激震! バンコクの濃いサブカルスポット

2016年05月26日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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日本の「アニメイト」進出でタイのアニメ市場に激震!?

「MEGA PLAZA」の様子

 ヤワラーには、タイのアニメやゲームの一大発信基地「サパーンレック」があった。海賊版が多く、また川の上に掘っ立て小屋が並ぶ異様な光景なので、アンダーグラウンドに思われがちだが、正規品もあるマーケットだ。

 タイ人の小さなお友達から大きなお友達まで愛され、大変賑わっていたのだが、長く続いたサパーンレックが撤去された。

 代わりに多くの店が入っているのが、サパーンレック近くの「MEGA PLAZA」という大きなビルだ。こちらは建物内なので、エアコンが入って快適に巡回できる。

 サパーンレック同様、海賊版ショップも何店かあるが、一方で正規版も売られている。

 特にバンコクっ子のニーズを汲んでか、日本のフィギュアを扱う店が非常に多いのが特徴だ。日本のフィギュアに次いで目立つのが、マーベル系のフィギュア、そしてゲーム、カードゲームと続く。中国系のおもちゃを扱う店もある。

 ゲームは、中国のモノもあるが、日本の現行ゲーム機とレトロゲームが半々。「なぜこんなのがここに置いてあるんだ!」というものがあり侮れない。またカードゲームは扱う店舗はそう多くないが、「カードファイト!! ヴァンガード」のゲーム大会がしばしば開催されているようで、その時には大変盛り上がる。

タイ人に注目の黒船「アニメイト」

タイ人に注目の黒船「アニメイト」

 そんな出発したてでにぎわうMEGA PLAZAに激震が走った。前述のスマートフォンマーケットで知られるMBKに、あの「アニメイト」がオープンしたのだ。

 日本の店で確実に本物が買えるとばかりに、オープン当日は400人の行列ができ、入場制限を設け、最終的には7000人もの人が入場するほどの大盛況となった。

 これに対し、MEGA PLAZAのショップ運営者は、「これまで個人輸入で仕入れて、マージンをつけて販売していたが、本家がやってきたら店をやりくりできない!」と黒船来襲に嘆く。

 ひょっとすると、今後はフィギュアの数が減り、別の商品ジャンルに活路を見いだす店が出てくるかもしれない(参考記事:入店に4時間待ち! タイに「アニメイト」がオープン!)。

タイに行くならチャイナタウンを目指せ!

 結論としては、「バンコクに行くなら、Pantip PlazaにもMBKにもいかず、チャイナタウンに行きましょう、おまけで街の中心のMBKに行ってもいいかもね」ということだ。

 ヤワラーのMEGA PLAZAやスマートフォン売り場へのアクセスだが、これが初回の人には難しく、駅からも遠いので暑い中で歩くよりは素直にタクシーをお勧めする。

 どうしても安価にバスに乗りたければ、ホワランポーン駅から1番バスでチャイナタウンを通り、右折した最初のバス停で降りればすぐ。せっかくなのでタイで普及しつつある配車アプリ「GrabTaxi」を使ってみるのも一興だ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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