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Startup Japan Tour in 北海道

農業版カーナビアプリで世界を席巻中の札幌スタートアップ

2016年03月15日 07時00分更新

文● ガチ鈴木/大江戸スタートアップ

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 日本各地のスタートアップと大企業を結び、オープンイノベーションを地方にも広げることを目的に全国で開催されている“Startup Japan Tour in 北海道”が、2016年3月12日に札幌コンファレンスホールで開催された。地場のスタートアップのプレゼンによるピッチ、地方を盛り上げるためにはどうしたらいいのか課題を共有するイベントだ。

 今回、スタートアップピッチに出場したのは4社。北海道という土地だからこそ生まれたサービスから、クラウド型ビジネスサービスまで、注目したいスタートアップ企業のサービスが出そろった。

グランプリはGPSガイダンス農業アプリ

 グランプリに選ばれたのは、圃場(田畑)内をGPSによりまっすぐ等間隔にトラクターを走らせて農作業できるアプリ『AgriBus-NAVI』だ。開発するのは農業情報設計社の濱田安之代表。“農業のカーナビ”と言えるサービスで、通常であれば50万円から数百万円とかかってしまう、GPSガイダンスシステムをスマホ用のアプリとして、しかも無料で提供している。別途、USB接続型のGPS/GNSSアンテナを用意することで、より位置精度を高めることが可能。

 まさしく広大な農地をもつ北海道ならではのアプリと言える。公開から約1年で2万以上ダウンロードされ、オランダなどのライバルのアプリを抜いてシェアは世界一になった。9割以上は海外でダウンロードされている。理由は他社が有料で提供しているところ、無料だからと濱田代表は分析。

 グランプリの理由にサムライインキュベートの玉木氏は「1次産業にIT、テクノロジーの利用はまだまだ余地がある。長年の研究とスマートデバイスの普及で、低コストで提供できているところ」と語った。実際に濱田代表は大学で研究していた技術をもとにアプリを開発。そのため開発費が抑えられていることが、無料で提供できている一因でもある。今後はAgriBus-NAVIには有料の管理機能などの提供も予定している。また、IoTオプションで農業機械と接続、自動化、情報化などのサービス展開を予定している。

イベント情報を人工知能で届ける

 京都リサーチパーク賞は調和技研の『びもーる』が選ばれた。地域のイベントをまとめた情報配信サービスだ。ピッチに登場した小野良太主任研究員は「イベントの開催を知っていたら、行っていた」という、お客、主催者双方にとっての損失をなくしたいとサービス開発の理由を語る。

 現在、札幌のイベント紹介サイトは月間100万PVを超えて、「札幌 イベント」で検索するとトップに出てくるほど。そのほか、東京、横浜・川崎など全国7地域で同様のサービスを展開し、さらにほかの地域への参入を狙う。調和技研が研究開発する人工知能によって、ユーザーごとに最適化された情報提供をしていくキュレーション機能をもつ。

タスクと作業時間の管理、共有ツール

 惜しくも賞に選ばれなかったもののラフノートの状況共有ツール『TimeCrowd』は注目したいサービスだ。Chromeのエクステンションやスマホアプリを利用して、Gメールやチャットワークなどからタスクを自動的に抽出して、チーム、社員全体のタスクをリスト化して、達成度や終わるまでに掛かった時間などチームの活動を可視化して共有できる。個人の管理、マネジメントツールとして利用可能だ。

 タスクごとにタイマーが付いており、オンオフは個人の裁量にはなってしまうが、「社員全員のタスクを共有して、ビジネスの時間を“見える化”できる。時間を明確化することで成果も上がる。タスクの共有はほかのサービスもあるが、詳細を保存するのはブルーオーシャン」と中山亜子氏は説明する。実際にラフノートは、社員がそれぞれ東京、大阪、札幌と分かれてリモートワークしており、自分たちが必要と思ってつくったという、この『TimeCrowd』を使うことで、離れていても効率的に事業を展開している。

世界を狙うラーメンアプリ

 アスキー読者には少しおなじみかもしれないが、『毎日がラーメン』、『毎日がカレー』など投稿型の食の共有サービスを開発運営するクリアの土門亨代表取締役がピッチに登場。ラーメンは単体のユーザー投稿型のアプリから、店舗も巻き込んだソリューションビジネスの構築へとサービスを展開中だ。

 毎日がラーメンは毎日1万人以上が利用する簡単に食べたラーメンのライフログをつくれるアプリ。さらに業界初のラーメン店舗向けのアプリをリリース、ラーメン好きにラーメン情報提供できるような仕組みを提供。またラーメン情報を多言語化することでインバウンド対応、世界で起こっているラーメンブームに情報を発信できるよう、シンガポールやアメリカへの進出を計画するなど、アウトバウンドにも事業を発展させようとしている。

■関連サイト
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