このページの本文へ

最大8.4PBの拡張性やデータ削減、耐障害性をアピール

Nimble Storage、予測分析可能なオールフラッシュアレイを投入

2016年03月03日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3月2日、Nimble Storage Japanはオールフラッシュアレイ「Nimble Storage AFシリーズ」を発表した。最大8.4PBという拡張性や長らく培ってきたデータ削減や耐障害性といった特徴のほか、障害や性能劣化をクラウド側で分析するInfoSightのメリットも合わせ持つ。

最大8.4PBのスケールアウト性に強み

 Nimble Storageは2008年創業のストレージベンダーで、独自のファイルシステムとクラウドサービスを組み合わせたハイブリッドアレイを展開している。新興ベンダーでありながら、グローバルで7500社を抱えるの顧客を抱えるのも大きい。今回発表された「Nimble Storage AFシリーズ」は同社初となるオールフラッシュアレイで、120万IOPSと1/1000秒以下の遅延を実現する。

初のオールフラッシュアレイ「Nimble Storage AFシリーズ」

 Nimble Storage AFシリーズは、最大4つのアレイまでパフォーマンスと容量を無停止で追加でき、他社製品に比べて高い拡張性を誇るという。最大8.4PBまでの拡張が可能で、12Uで2PBの有効容量を確保する。発表会に登壇したNimble Storageのガヴィン・コーエン氏は、「EMC XtremIOは最大で1.6PBが限界。ピュアストレージはシングルだと400TBまでしか拡張できないので、事実上スケールアウトができない」と他社との違いをアピールした。また、少ないメモリで動くこと、コストに最適化された3D-NANDを採用していること、重複排除や圧縮などで効率的なデータ削減が可能なことなどを挙げ、他社に比べて2/3~1/3のTCOで済むという。

Nimble Storage Head of Product Marketing ガヴィン・コーエン氏

 もともと同社は、HDDとフラッシュのハイブリッドストレージに最適化されたCASL(Cache Accelerated Sequential Layout)というファイルシステムをベースに製品を構成していたが、AFシリーズではフラッシュに最適化されたいくつかの拡張が施されているという。データアクセスは当然ながらフラッシュのみを対象とし、可変長ブロックでの重複排除・圧縮を導入。ゼロパターン除去などのテクノロジーと組み合わせ、1/5以上データ削減を可能にする。また、年間で96秒以下という高い可用性やディスク3本同時障害に備えたトリプルパリティのRAID、「SmartSnap」や「SmartReplicate」などによるバックアップ&リカバリ、「SmartSecure」による暗号化などの特徴も有する。

さまざまなテクノロジーで高い耐障害性を実現

 モデルとしては4U/8Uのエントリモデルの「AF3000」と「AF5000」、4U/12Uのミッドレンジモデル「AF7000」、4U/12Uのハイエンドモデルの「AF9000」が提供される。

Nimble Storage AFシリーズのラインナップ

予測分析システムで障害を事前に検知

 同社は今回投入されたNimble Storage AFシリーズとハイブリッドアレイの「Nimble Storage CSシリーズ」、さらにクラウドベースの予測分析システム「InfoSight」を組み合わせた「プレディクティブ フラッシュプラットフォーム」を提供するという。これにより、障害や性能劣化を事前に検知し、安定した運用が可能になる。

 コーエン氏は、プレディクティブ フラッシュプラットフォームが生まれた背景としてアプリケーションとデータの間に潜むギャップについて言及。7500を超す顧客のストレージから得られたデータを分析した結果、「ストレージが原因だったのは48%だった。それ以外の問題はアプリケーションや構成、相互接続性だった」と指摘する。

 こうしたギャップを解消すべく、Nimble Storageはユーザー拠点にあるアプライアンスから5分間隔でセンサーデータを収集し、InfoSight上で解析。問題発生時や問題の予兆をアラートとして通知し、プロアクティブに安定稼働を支援するという。障害を未然に防ぐことでダウンタイムを回避でき、99.9997%という高いアップタイムを実現。10件中9件の問題をユーザーが確認する前に検知するとともに、サポートエンジニアと話すまでの待機時間を1分以内に短縮したという。

アプリケーションとデータ間のギャップが存在

InfoSightで定期的な予測分析を実現

パートナーやユーザーにうれしい保守体制が大きなメリット

 日本市場の戦略について説明したNimble Storage Japanマネージングディレクターの西岡正氏は「ニュータニックスやピュアストレージ、ティントリなど同期のベンダーに比べて、すでに3倍以上の顧客を抱えている。これは事実として言っていいのではないか」とアピール。また、InfoSightが実績を上げている中、ユーザーやパートナーフレンドリーな保守体制がとれている点も大きいという。

Nimble Storage Japanマネージングディレクター 西岡正氏

 日本では実営業2年で約100社の顧客を獲得しているほか、ヤフーや毎日放送、NTTスマーコネクト、アーレスティなどの事例を抱えているとのこと。2016年は500~1000名規模の中堅企業を中心に、地方自治体、病院、学校、サービスプロバイダーなど、顧客数の倍増を目指すという。

■関連サイト

カテゴリートップへ