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新世代ハイブリッドストレージの雄が日本に本格上陸

Nimble Storageと東芝が国内市場の開拓に向け強力タッグ

2014年09月03日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月2日、米Nimble Storageはビジネス概況と日本市場での展開を説明する発表会を開催した。スタートアップを大きく引き離す顧客数がアピールされたほか、今年から総代理店を務める東芝との強力なパートナーシップについても明らかにされた。

スタートアップを凌駕する顧客数を獲得

 2007年に設立されたNimble StorageはHDDとフラッシュメモリを組み合わせたハイブリッドストレージを展開している。フラッシュの性能とHDDの低廉な価格を活かした同社のストレージは、2014年から東芝が総代理店として国内への製品展開を進めている。

 Nimble Storageの特徴は、フラッシュとクラウドの接続を前提にアーキテクチャを抜本的に再設計し直した点だ。独自のCASLファイルシステムにおいて、フラッシュはメタデータ保存とリードキャッシュに特化。書き込みデータはインライン圧縮した後、シーケンシャルI/OとしてHDDに書き込む。これにより、Nimble Storageは、HDDメインの従来型のストレージに比べて高い性能、オールフラッシュアレイに比べて低廉な価格を実現する。また、クラウドベースの管理・保守ツール「InfoSight」を提供し、障害が起こる前のプロアクティブな保守を可能にする。

Nimble Storageの技術と価値

 2010年の製品投入以来、同社のビジネスは急速に拡大しており、ここ1年でインストールベースは2000を超え、大企業・クラウドプロバイダーでの実績も高めているという。米Nimble Storage CEO スレッシュ・ヴァスデバン氏は、「1四半期だけで660だ。フラッシュベースのスタートアップがこれまで獲得した顧客数よりも多くの顧客を四半期で得ることができた」とアピールした。

米Nimble Storage CEO スレッシュ・ヴァスデバン氏

 2014年にはハイエンドモデルの「CS700」を投入し、HDDを用いながら、フラッシュよりも2倍高い書き込みIOPSを実現したという。また、CS700をクラスター化することで、ノードあたり16TBのフラッシュを搭載可能になった。こうした製品や販売体制の強化が功を奏し、「従来得意とするミッドレンジを守りつつ、エンタープライズ市場にも果敢に挑むことができた」(ヴァスデバン氏)という。

Nimble StorageはIT運用全般にメリットがある

 日本市場においては、東芝を総代理店とし、アセンテック、シーティシーエスピー、ソフトバンクコマース&サービス、ネットワンパートナーズの4社がディストリビューターとして製品を提供している。ファーストユーザーの大阪大学を筆頭に、大企業や大手通信事業者、サービスプロバイダーなどで導入が進んでいるという。また、2013年11月に東京オフィスを開設し、大阪オフィスも開設する予定となっている。

 東芝 クラウド&ソリューション社 営業統括責任者 市橋徹氏は、「性能だけではなく、IT運用全般にメリットがある」とアピールし、企画・設計、構築、運用、保守などあらゆる面でNimble Storageの特徴が活きてくると語る。特にシンプルなハードウェア・ソフトウェアを採用するため構築がしやすいこと、アプリケーションにあわせたパラメータ値があらかじめ用意されていることなどが大きい。

東芝 クラウド&ソリューション社 営業統括責任者 市橋徹氏

 3月からは東芝ITサービスから保守サービスを提供。InfoSightの遠隔監視と全国101社拠点のオンサイト保守を組み合わせることで、強力なサポート体制を構築。全国規模で顧客を支援する体制が整っているという。

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