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山谷剛史の「アジアIT小話」 ― 第116回

中国で名作続々登場!? アマチュアも稼げるビジュアルノベル事情

2016年01月21日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ビジュアルノベル「日本で死にます」
ビジュアルノベル「日本で死にます」

 中国で「日本で死にます(死于日本)」というタイトルのビジュアルノベル(文字遊戯)が息長く遊ばれている。

 2013年11月にリリースされながら、いまだに中国の新規プレーヤーが遊びはじめては、「考えさせられた」と長文レビューが投稿されるロングランのゲームである。

 ジャンルはホラー系のビジュアルノベル。遊んだ筆者からすれば“ある意味”ホラーである。

 スマートフォン向けアプリと、ブラウザゲーム版と両方ある。中国語ではあるが、どんなゲームか触ってみたければ、こちらのサイトにアクセスしてみよう。

中国人が思う日本の理想と現実(?)を描いた作品

 一部ネタバレとなってしまうが、ストーリーを紹介する。舞台は日本。主人公は日本にいる中国人留学生。彼が東京で希望をなくして自殺したところから話がはじまる。

 スタート時点ですでに亡くなってはいるが、気づけばなぜ日本で自殺したか、その原因がわからない。そこに同じく亡くなった、中年の栗原さんという人が登場し、ともになぜ主人公が亡くなったのか、思い出すために2人でさまざまな場所に赴く。会話を繰り広げていくうちに、(亡くなった主人公にしては)驚くべき事実が判明する。

 日本への留学を前に、母親からは「中国国内での就職戦線は厳しすぎる」と言われ、日本に留学して「日本で結果を出してから中国に戻る」と約束した主人公。

 日本では、中国文化が好きな日本人の彼女mikaと付き合いはじめた。理想の日本人妻が主婦になってくれると喜んだものの、よかったのは最初だけで、彼女は茶道や書道や絵画やフランス料理教室に行き、主人公が稼いだバイト代がそこに飛んでいく。

 かたや栗原さんは、当初は銀行からローンで4000万円の家を買ったものの、バブル経済崩壊などの経済事情が変わったために、子会社に送られ、さらにその子会社でも会社を辞めさせられ、ローン返済ができなくなり、借金取りに追われる生活となる。

 こうして憧れた日本のリアルを見てがっかりし、現世から旅立ったという話である。

 なお、選択肢を誤った場合は、日本で路上生活者になりゲームオーバーとなる。

 日本での生活への期待と現実のリアルなギャップを表現したこの作品、日本の生活はハードモードではないとは思うのだが、一部の日本在住中国人が話す日本の印象は似たようなものであり、中国人が感じがちな日本のリアルを表現したビジュアルノベルなのだ。

ロングランの理由はビジュアルノベルだったから!?

 この「日本で死にます」というゲームを、長きにわたって多くの人が触れ、多くの人が考えさせられると感じるのは、ウェブメディア上の記事ではなく、ビジュアルノベルで表現したからという理由であろう。

 ウェブ版ゲームの感想コメント欄には、ニュースサイトで見られがちな荒れたコメントがなく、一言ではすまない感想文が多く掲載されている。

 記事はあっという間に膨大なログの中に埋もれてしまうが、ビジュアルノベルでは競合は純テキストよりは減る。ましてや日本が題材の中国人視点のビジュアルノベルとなれば、競争はすごく少なく目にされやすいわけだ。

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