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山谷剛史の「アジアIT小話」 第114回

驚愕の1リットル紙パックサイズ! 中国の超巨大ケータイを買ってみた!!

2015年12月17日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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広場や宴会場にも響き渡る大音量

左右に大口径スピーカーを配備。音割れはない

左右に大口径スピーカーを配備。音割れはない

 この大きさなのでスピーカーもすごい。老人向けも考慮に入れて、それなりに耳が遠くても、広場で太極拳をやろうとも聞こえる大音量である。

 製品の紹介によれば、音量は200dBとのこと。さすがに200dBはないだろうとは思うのだが、忘年会シーズンまっただ中の今、笑い声が絶えない宴席で電源を入れるや、はっきり音が聞こえるくらいの音量であった。

 賑やかな中国向け製品だからか、電源オン/オフ時には大音量の中国的音楽が流れ、かつすべての操作で大音量の音声が出る。静かな日本の住宅地で利用すると、ある意味注目を集めてしまうだろう。

 また、携帯電話ではおなじみの機能であるアラームも搭載。その単なるアラームすらも、この携帯電話にかかれば非常に有能なものとなる。

万が一の爆発のために、離れて充電する

万が一の爆発のために、離れて充電する

 バッテリーを外すと、microSDカードスロットと、デュアルSIMスロットがある。残念ながらこの製品は、3G/4G非対応でGSMにしか対応しない。が、日本でまったく使えない、というわけではない。LEDライトがあって懐中電灯として使えるほか、背面にはフルサイズのUSBコネクターがあり、モバイルバッテリーとして利用が可能だ。

 ただし、差せば給電するのではなく、起動してメニューからモバイルバッテリー機能をオンにしないと懐中電灯としてもモバイルバッテリーとしても働かない。つまり懐中電灯はもとより、モバイルバッテリーとして使うにも、大音量の起動音や音声を聞くことになる。

テレビやラジオ、SNSの利用まで可能
パーティーグッズとしても活用できそう

 モニターは480×800ドット表示が可能な2.8型で、タッチパネルを採用する。このあたりが以前の同種の機種と比べた改善点だ。

 背面には130万画素のカメラユニットがあり、撮影も可能。これで写真を撮る人はいないだろうが、撮ってみると色は紫色っぽくなるし、なんといっても構えにくいのか、総じてブレる。

画面UIはiOSっぽくなっている

画面UIはiOSっぽくなっている

 ソフト面はというと、山寨機では定番のiOSのようなメニュー画面をタッチすると、さまざまな新機能が見てとれる。前述のLEDライト照射や、モバイルバッテリーのほか、ラジオ、テレビ機能に加え、プライバシーがガラ空きになるであろうSMSの音読機能、さらにはGPRS(データ通信)を使った「QQ」や「微信」(WeChat)機能まである。一応は実用面でもパワーアップしているのだ。

 使っている人を見たことがないし、数も多くないが、オンラインショップの淘宝網(Taobao)で売れている。

 モバイルバッテリーにしてよし、ライトにしてよし、目覚ましにしてよし、オブジェにしてよしと、多機能な大哥大手机は、年末の忘年会シーズンで注目が集まるパーティーグッズとしても活用できた。中国に行くときはチェックしてみてはいかがだろうか。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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