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消防士からオフィススムージーまでローリングストーンな半生を追う

七転び八起きの起業人生!Socket安藤さんがFlipdeskに至るまで

2015年08月17日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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スマホ向けの販促プラットフォーム「Flipdesk」を手がける渋谷のスタートアップSocketを率いる安藤祐輔さん。ベンチャーやEC事業者の中で新規事業を立ち上げ続け、Flipdeskに至るまでの10年を振り返ってもらった。

消防士から始まった安藤さんの“立ち上げ”人生

 安藤さんのビジネスプロフィールは、東京消防局の消防士からスタートする。高校から大学までそのまま持ち上がることにあまりテンションが上がらず、自立した仕事をやりたいと考えたのがきっかけだ。「学費のことを親から言われるのがいやだったので、柔道部で培った体を使って、社会的ステータスもそこそこある消防士になりました。18歳から3年間、三鷹消防局でポンプ車、はしご車、救急をやってました」(安藤氏)。

Socket 代表取締役 安藤祐輔さん

 その後、消防署の先輩から感化されて、改めて体育系の大学に入学。学生として就職活動している間に、人材系ベンチャーの社長からのススメに従って、いきなり起業することになる。ここが安藤さんの起業人生のスタートだ。

 最初に手がけたのが、体育系学科特化の人材メディア。「人材系ベンチャーの社長から、学生の強みを活かせるビジネスがいいと言われ、体育系学生を欲しがっているベンチャーに紹介する商売を始めた」(安藤さん)という。同時に就職活動もしていたが、体育系学生の紹介ビジネスの方がはるかにビジネスとして大きいことに気がつき、もらっていた内定を蹴ることになる。

 当初、人材紹介をメインに手がけていたが、そのうちリサーチとサンプリングを手がけるようになった。この時、安藤さんはデータの利益率が高いということを学んだという。「大学生3・4年のデータが毎年溜まるので、このデータを元にリサーチやサンプリングを仕掛けてました。たとえば、箱根駅伝に出る人たちに、栄養剤をサンプリングするとか、卒業直前の学生にひげそりを贈るとかやってました。とても楽しかったです」(安藤さん)。

 次に手がけたのは、自身のスポーツマンとしての経験を活かしたスポーツ協会のポータル化だ。「スポーツって競技人口が20万人を超えてこないと、 協会から末端までお金が降りてこないんです。僕は大学時代、トライアスロン部だったんですが、トライアスロンで国際指定選手になっていても、遠征は自費でした。そんな原体験があったので、スポーツ協会と組んで会費をとったり、物販したり、広告をとるようなマネタイズをすることにしました」(安藤さん)。

 この頃、安藤さんは多くのベンチャー経営者と知り合い、今も関係を保っているという。「2005~2006年の頃って、ベンチャーも今ほどピカピカじゃなくて、高卒あがりやインターネットブームで一山当てた人とか、いろいろあって、不動産系やリサーチ系のベンチャーは当時と今とではずいぶん入れ替わったなと思います。同期の経営者の知り合いもいっぱいいますが、リーマンショックや震災なども経験しているので、みんなが概してタフですよ」(安藤さん)という。

総合格闘技のEC事業にチャレンジし、Socket設立へ

 結局、両者のビジネスが数億という規模に膨らんだ後、リサーチとサンプリングのビジネスだけを手元に残し、人材関連の事業を売却することになる。しかし、その後リーマンショックが到来。リサーチとサンプリングのビジネスが一気に鈍化した。そこで、安藤さんは知り合いを経由してケンコーコムに入社。通常事業コンサルにお願いするような新規事業の立ち上げやECや物流の立て直しを社内で手がけたり、シンガポールや中国事業の立ち上げまで関わる。

 ここで安藤さんが得たのは、ECの知見やノウハウだ。「ECは総合格闘技。旧態依然とした仕入れ、物流、カスタマーサポートみたいなものと、新しいWebマーケティング、制作、クリエティブなどがすべてが必要。しかも、中国のビジネスは、これに貿易と違う国のルールまで入ってくる。僕みたいに飽き性からするとけっこう面白かった」と安藤さんは振り返る。

「僕みたいに飽き性からするとけっこう面白かった」(安藤さん)

 2012年、ケンコーコムを退社し、中国EC事業の立ち上げに関わった後、今のSocketを立ち上げる。「KDDI∞Labo第1期生のEC・ Webマーケティング会社の社外取締役をやっていた関係で、今のCTOの生内(いくない)に出会った。「それまでファイナンスもやってない手弁当ベンチャーで いくつか事業をやってきましたが、スピード感のある面白い業界だなと思って、生内と勝負かけることにしました」と安藤氏は語る。

(次ページ、本当に“Socket”を売るつもりだった)


 

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