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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 ― 第6回

プレイ動画・ゲーム実況・ゆっくり実況 etc...ニコニコ動画最大のタグを調べてみた

再生数200億! ニコニコ動画の半分は「ゲーム」タグでできている

2015年06月25日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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 この連載では、独自に収集したデータを使って、みんな知ってるようで知らないニコニコ動画やpixivの現在を紹介していきます。今回は連載としては最終回となりますので、最後にニコニコ動画で最も投稿数の多いタグ「ゲーム」についてご紹介します。連載一覧→第2期第1期

筆者紹介:myrmecoleon

 明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β実行委員。趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。記事に使ったデータ元の『ニコニコ統計データハンドブック2015』など同人誌をコミケで頒布。ブロマガでは連載記事の補足も。
 Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった著作に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』(イースト・プレス刊)。左の画像は筆者を擬人化?して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

投稿数550万・ニコニコ動画の約半数を占めるゲーム動画

 第1期含め2013年より隔週で連載してきました「グラフで見るニコニコ動画」ですが、このたび連載としては終了することになりました。最後ということで、ニコニコ動画でも最大のタグ「ゲーム」を取り上げて、ニコニコ動画γ以降の8年のゲーム動画の歴史について紹介したいと思います。

 「ゲーム」タグはコンピュータゲームやテーブルゲームなどさまざまなゲームに関する動画に付けるタグ。カテゴリタグの1つでもあり、ニコニコ動画で最も多くの動画に付けられているタグです。

 「ゲーム」タグの動画は2015年6月現在で550万件以上視聴でき、現在のニコニコ動画で見られる動画の約半数がこのタグの動画です。投稿者も30万名以上に上ります。多数を占めることから、ニコ動の動画の一般的な傾向を示すタグでもあります。

 月間の投稿数・投稿者数は2012年後半から2014年前半にかけてはやや停滞気味でしたが、最近はまた増えてきています。直近の投稿が多いのは削除の影響もあるためご注意ください。現在は月の投稿者の2割弱が新規の投稿者です。

 ゲームタグ全体での現在の再生数は200億以上(ニコ動全体の3分の1)、再生数の中央値は372です。動画の傾向としてはニコ動の約半数を占めることもあり全体と非常に近い傾向ですが、ややコメント率が高く、マイリスト登録率が低いです。再生数は1万以上が5.2%、上位0.34%の投稿者の動画に全体の再生数の半数が集中と比較的偏っています。

 また投稿者はプレミアム会員が多く、女性や海外からの投稿者の割合は比較的少ないようです。

ニコニコ動画β時代に一世を風靡した「レッツゴー!陰陽師」PV。現在ニコニコ動画で最も古いこの動画ももちろんゲーム動画です。
「ゲーム」タグの基本データ
合計 中央値 参考:前年の中央値 参考:全体の中央値
再生数 182億8670万0156 357 364 499
コメント数 10億9322万6711 17 19 15
マイリスト登録数 1億2243万2756 2 2 3
コメント率 - 4.07% 4.84% 2.72%
マイリスト率 - 0.56% 0.61% 0.78%
「ゲーム」タグの投稿者データ(公開ユーザーのみ)
タグ投稿者 参考:前年の値 投稿者全体
プレミアム会員の比率 50.45% 49.50% 37.78%
女性の比率 12.29% 12.19% 25.60%
国外からの動画投稿者の比率 4.09% 3.95% 6.90%
平均年齢 24.8歳 25.0歳 24.8歳

※コメント率・マイリスト率はそれぞれコメント数・マイリスト登録数を再生数で割った値。拙著同人誌『ニコニコ動画統計データハンドブック2015』より抜粋。2014年12月1日時点の値。参考のため2013年同時期の値も付記。なお2014年時は平均年齢は10歳未満と80歳以上を省いて計算している。

2015年6月中旬時点で視聴可能な「ゲーム」タグの付いた動画の月別の投稿動画数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数。削除等があり、実際の各期間の投稿数とは開きがある点注意

実況プレイ動画ブームと確実に拡大していくゆっくり実況プレイ
多様な動画の集まるゲームタグ

 「ゲーム」タグはゲーム動画全般に付けるタグで、ゲーム音楽やゲームキャラクターを使用した動画にも付けられますが、大半の動画はコンピュータゲームのプレイ動画です。

 タグとしてはプレイそのままの音声・映像を投稿する「プレイ動画」、字幕などで解説を加える「字幕プレイ動画」、プレイ時(または後日録音)のプレイヤーの声を重ねた「実況プレイ動画」などの動画のスタイルを表わすものがよく付けられています。

 また実況プレイ動画の変形として、「ゆっくり」の音声を重ねた「ゆっくり実況プレイ」(1期第15回参照)やAHS社のVOICEROID+ 結月ゆかりらの製品を使った「結月ゆかり実況プレイ」などの合成音声を使用した動画、既存のビデオ等の音声をMAD的に使用したゲーム実況風プレイ動画(「淫夢実況シリーズ」など)も人気です。

 グラフ2ではこうした主な種類のゲームプレイ動画スタイルについて、ゲームタグ動画中の月毎の投稿比率を示しました。なお、タグは名寄せを行ない、たとえば実況プレイ動画については「実況プレイ」「実況」「ゲーム実況」などのタグの付いた動画についてもカウントしています。また削除された動画があるため投稿時点の比率とは異なる点ご注意ください。

 ゲームのプレイ動画はニコ動以前からYouTubeなどによく投稿されており、ニコニコ動画ではβ時代から人気のある動画がありました。

 初期のニコニコ動画では普通のプレイ動画が多く、2007年頃は1割近くの動画に「プレイ動画」タグが付いていました。しかし2008年以降は減少しており、最近では月のゲーム動画の2%程度です。

 もっともこうした動画は必ずしも「プレイ動画」のタグを付けて投稿されてはいません。特にアーケードゲームのタイトルはこの傾向が強く、主なアーケードタイトルの動画(「三国志大戦」「戦国大戦」「ボーダーブレイク」など。ゆっくり実況プレイなどもあるがほとんどは通常のプレイ動画)を集計すると2010年以降は「プレイ動画」タグの付いた動画より多くなっています。

 実際には「実況プレイ動画」などを除いたうちのゲーム動画の半数以上は現在もこうした普通のプレイ動画と思われます。

 「実況プレイ動画」はゲーム動画の4割以上を占め、ニコニコ動画最大の動画ジャンルと言えます(1期第5回参照)。

 ゲームのプレイ動画にプレイヤーの声を重ねるのもPeerCastの「永井先生」の配信など、ニコニコ動画以前からもよく行なわれていました。ニコ動でも初期から投稿されていますが2007年中は少なく、2008年頃から投稿が急増。2009年にゲーム動画中の比率が最大となります。2011年に一旦減少しますが再度増加、2014年はじめの減少後現在は再び増えてきています。

 「ゆっくり実況プレイ」は実況プレイ動画が増加した2008年後半、当時MUGENの影響で合成音声の「ゆっくり」の認知が高まってきていた時期に登場します。当初はあまり目立たなかったものの、いくつかヒット作が生まれ、確実に投稿を増やしてきました。

 現在は投稿されるゲーム動画の1割弱がゆっくり実況となっています。

 「ゆっくり」の代わりにVOICEROID+の結月ゆかりなど別の合成音声を使用する試み(「結月ゆかり実況プレイ」など)も2010年頃から行なわれており、まだゲーム動画の1%ほどですが投稿を増やしています。またゆっくり実況では近年「biim兄貴リスペクト」と呼ばれるフォーマットが淫夢関係を中心に人気となっています。

 ほかプレイ動画に字幕などの演出を加えて解説する「字幕プレイ動画」も実況と同じく初期から投稿され、2009年頃に増加、以降はゲーム動画の1%ほど投稿され続けています。

 プレイ方法としても「縛りプレイ」「RTA」などが挑戦されており、「TAS」やゲーム改造、バグったゲームをプレイする「ヒテッマンリスペクト」など危うさのある遊び方も親しまれ、しばしば削除されながらも一つの文化を構築しています。

2015年6月中旬までに投稿されたゲームタグの動画について、それぞれに関連するタグで投稿数の多いものついて名寄せして月別にカウントし、ゲームタグ動画中の比率の推移を示したもの

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