サービス面はほかの格安SIMより若干不足ぎみ
実際にNifMoを使ってみる。APN設定は全ユーザー共通のもので、個別のIDやパスワードは必要ないタイプ。NifMoのウェブサイトにも情報が公開されているので、SIMに同梱されていた説明の紙をなくしてしまっても問題ない。
iOSには構成プロファイルも提供されるため、iPhoneやiPadを使う際の設定も難しくない。なお、NifMoのアプリ「NifMoコネクト」も提供されるが、これは公衆無線LANに接続する機能を主としたもの。高速通信の使用量/残量の確認も可能だが、高速通信のON/OFFには対応していない。
また、NifMoには高速通信のON/OFF機能そのものが用意されていない。そのため、通信すれば必ず高速通信容量を消費してしまう。通常は低速で我慢しておき、高速通信容量を温存し、トータルで容量を抑えるという使い方はできない。
ちなみに、NifMoには容量の翌月繰越がない。毎月、平均的に高速通信容量を無駄なく消費していれば問題がないが、使用量に波のあるような人は要注意だ。繰越のある格安SIMならば最初に節約しておけば、常に約1ヵ月分の容量の余裕を持って、突発的な大容量消費に備えることも可能なのだが、それはできない。
実測! 混雑時間帯の速度低下が少ない!!
まだヘビーユーザーが多くないためか!?
設定が終わったら、実際の速度測定をしてみよう。平日の午後3時過ぎ、夜の10時すぎ、早朝7時ごろで比較した。比較したSIMはIIJmioとドコモ直契約のものを「XperiaTM Z3 Compact SO-02G」に差し替え、2つの速度測定サイトで計測した。
常に下りは20~40Mbpsを記録、NifMoの評判で言われていることの多い、混雑時間帯の速度低下が少なさを実感することができた。
夜の利用では5Mbps以下まで落ちるIIJmioよりも速度低下が少ない。1週間ほど使いこんだ印象では、全体的に時間帯による速度低下がなく、一日中平均して高速で通信できることが特徴だ。混雑時間帯の速度低下が著しい格安SIMのある中では優秀といえるだろう。とにかく何をやってもストレスを感じない。
しかし、この快適さがいつまでも続くとは限らないのが格安SIM。例えば、速いと評判が知れ渡り、ヘビーに使うユーザーが大挙して加入すれば、速度低下が発生する可能性がある。
ただ、その可能性もNifMoは少ないと思われる。速度制限が意外と厳しく、月間3GBのプランならば過去3日間で500MBを超えると速度制限がかかる。調子にのって速度測定をしていると、実効速度が速度が速いSIMだけに容量もすぐ消費してしまう。
速度制限の厳しいキャリアは嫌われる傾向もあるが、月間3GBのコースで3日間500MB超なら、メールやウェブコンテンツを見る程度の使用なら問題なはず。そのおかげでヘビーすぎるユーザーを排除し、快適な環境を得られるならば十分アリと思う。
なお、リモートホストを確認できるサイトで調べた結果、NifMoのインターネット接続はOCNのネットワークであることが確認できた。
安定した高速通信や初期コスト節約にいい選択
NifMoは速度安定重視の格安SIMとして十分におすすめできる。ただし、ほかの格安SIMと同様に時間帯によって速度低下しても仕方がないと考えているならば、一時的な大量通信に制限をかけない格安SIMや、高速通信のON/OFFができたり、容量の繰り越しができる格安SIMのほうが便利に使えるかもしれない。
一方、家電量販店のパッケージ購入で初期費用を安く抑えることができれば、初期費用を抑えて格安SIMを楽しみたい人もおすすめだ。
たとえばSIMのパッケージがポイント込みで約1000円で入手できるとして、NifMoは加入月の料金が無料。加入日によっては1ヵ月分がタダになり、初期費用を加入月無料とほぼ相殺と考えれば、加入にかかる費用はほとんどなしで加入できる格安SIMということにもなる。
今回は単体SIMだけ見てきたが、すでにニフティのサービスを使っていれば、契約によっては月額216円の割引や、NifMoの本来の特徴であるほかのサービスと絡めて料金を割引くなどの特典もある。もし、NifMoならトクをしそうな環境にあれば、ぜひ検討してみてほしい。
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