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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第4回

銀魂、うたプリ、きんモザ、Fate、ダンまち、血界戦線、SHOW BY ROCK!!

安定の続編・拡大する新作~2015年4月期アニメの二次創作

2015年05月28日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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人気作品の続編は安定 新作では「血界戦線」
「響け!ユーフォニアム」「SHOW BY ROCK!!」などが好調

 「血界戦線」人気はニコニコ動画でも拡大中。毎週投稿が増えており、5月13日~19日ではこちらも今回取り上げている作品では最も投稿が多いです。

 ニコ動での投稿増加の要因としては、前回紹介したED曲の「シュガーソングとビターステップ」のヒットが大きいです

 ほかにニコ動で増加傾向にある作品としては、「響け!ユーフォニアム」が挙げられます。放送時の増加後に一旦投稿数を落としてからじわじわ増加、5話のマーチング演奏回前後では再び投稿を増やしています。

アニメ「響け!ユーフォニアム」第1話のニコニコチャンネル公式配信動画。原作は宝島社文庫で刊行中の武田綾乃の同名の小説シリーズ。

 その他、いずれの作品も初放送時に投稿数のピークを迎えてその後落としている傾向は同じですが、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」「Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 2ndシーズン」は比較的安定して投稿されています。

 また「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」「ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン」「ニセコイ:」「魔法少女リリカルなのはViVid」は個々のエピソードの話題性などから上下しているようです。

4月開始アニメのおもな10作品の関連タグについて、4月1日スタートで7日間ごとで区切ったニコ動での動画投稿数をグラフにしたもの。集計方法はグラフ1に同じ

 続いてpixivを見てみると「SHOW BY ROCK!!」「終わりのセラフ」「アルスラーン戦記」で投稿数が右肩上がりになっています。それぞれ人気の高い作品ですが、いずれも初のテレビアニメ化を契機に二次創作が拡大しているようです。

 「SHOW BY ROCK!!」はサンリオのキャラクタープロジェクト。2013年よりスマートフォン用ゲームが稼働しており、今回アニメ化しました。ゲームもあり以前からイラストの投稿はありましたが、アニメをきっかけに増加しているようです。

 キャラクターとしては主人公の女の子「シアン」がよく描かれています。女性キャラですがR-18イラストもそれほど多くなく、カゲロウプロジェクトなどで顕著だった「女の子がかわいい女の子を描く」タイプでウケている作品かもしれません。

 ちなみにニコニコ動画ではゲーム版のプレイ動画が多数投稿されており、タグではアニメ関連の動画との区別ができないため、今回の集計では「SHOW_BY_ROCK!!(アニメ)」などアニメ関連のタグの付いた動画のみをカウントしています。このためニコ動の数字はやや小さく出ていますのでご注意ください(「ガンスリンガーストラトス」も同様)。

アニメ「SHOW BY ROCK!!」第1話のニコニコチャンネル公式配信動画。

 「終わりのセラフ」は鏡貴也が原作、山本ヤマトが作画、降矢大輔コンテ構成による「ジャンプスクウェア」連載のマンガ作品のアニメ化。

 よく描かれてるキャラクターは主人公の「百夜優一郎」と「百夜ミカエラ」。「ミカ優」など男性同士のカップリングタグの投稿が多く、女性人気の高い作品です。

 「アルスラーン戦記」は1980年代より角川書店・光文社などで刊行されている田中芳樹の小説ですが、講談社「別冊少年マガジン」で現在荒川弘の作画によりマンガとなっており、今回はこの荒川弘デザインによるアニメ化。

 よく描かれているキャラクターは主人公の「アルスラーン」。ついで「ダリューン」が多く、こちらも「ダリュアル」などの男性同士のカップリングタグが定着しています。

 なお「うたプリ」で4月8日~14日に投稿が多いのは4月11日が主要キャラの「一十木音也」の誕生日のため。

 同様に「ダイヤのA」でも5月15日が主人公「沢村栄純」の誕生日、また5月17日は同主要キャラの「倉持洋一」の誕生日で、投稿が増加しました。

 銀魂も含めてちょうど人気キャラの誕生祭の重なるシーズンでした。

 「メカクシティアクターズ」以来のボカロ曲を原点とする作品の「ミカグラ学園組曲」(ボカロP「Last Note.」の同名の楽曲シリーズを元に、本人自らMF文庫Jより小説刊行中)は、ニコ動・pixivともそれなりに投稿は多いのですが、カゲプロほどの規模ではなく、今のところ拡大の傾向も見られません。

 キャラクターとしては主人公の「一宮エルナ」がよく描かれています。また4月10日は主要キャラのひとり「御神楽星鎖」の、5月5日は同じく「八坂ひみ」の誕生日でした。

 取り上げた作品のなかでこの期間R-18イラストが多かったキャラクターは、ダントツでダンまちの「ヘスティア」、次いでFate stay/nightの「セイバー」「遠坂凛」、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」の「由比ヶ浜結衣」、「響け!ユーフォニアム」の「田中あすか」などでした。

4月開始アニメのおもな10作品の関連タグについて、4月1日スタートで7日間ごとで区切ったpixivでのイラスト投稿数をグラフにしたもの

 4月アニメも半分以上が終わり、それぞれクールの終わりに向けて盛り上がってきました。

 今期は前期のような化け物コンテンツはありませんが、人気作の続編は安定して好評、新作でも「例の紐」で話題になった「ダンまち」、次第に人気を拡大している「血界戦線」をはじめ話題になる作品がいくつか出てきています。

 サンリオ発、スマートフォンゲームからのアニメ化ながら二次創作も拡大しつつある「SHOW BY ROCK!!」も興味深いところです。

 個人的には高校時代に吹奏楽部だったこともあり、「響け!ユーフォニアム」を毎回楽しみに見ています(吹奏楽関係ないけど第8話最高でした)。

 今後もニコ動・pixivのアニメ人気に注目していきたいと思います。

イベント告知

 冬コミ新刊の「ニコニコ動画統計データハンドブック2015」はCOMIC ZINさんに委託中です。通販もやっていますのでこちらでお求めいただくと手軽です。

 米沢嘉博記念図書館では企画展示「~没後20年展~ 三原順 復活祭」が6月14日まで開催中。また6月19日からは「~赤塚不二夫生誕80年~ 赤塚キャラ誕生のひみつ 展」の開催を予定しています。コミックマーケット87やコミケットスペシャル6の見本誌が読めるサービスも6月15日まで行なっていますのでぜひご来館ください(参考記事)。


~没後20年展~ 三原順 復活祭

6月14日まで開催

 70年代から80年代にかけて、「はみだしっ子」を筆頭にその作品が熱狂的に支持された三原順。1995年3月20日、42歳で病没した直後はそれほど大きく取り上げられたわけではなく、出版界から忘れ去られるかにみえた。しかしマンガ情報誌で何度も追悼特集が組まれ、ネット上で、同人誌で、ファンたちは熱く語り続けた。それは三原作品の復刻を求める活動に結びつき、文庫本や復刊本、豪華本の出版など、多くの成果を生みだしてゆく。三原順の思索の深さ、児童の虐待・原発問題など、今考えるべき様々な問題への尖鋭的な取り組み。没後20年20冊目の文庫が刊行されるこの期に、今こそ触れてほしいその作品像に迫る。

■会場:米沢嘉博記念図書館 1階展示コーナー
■期間:2015年2月6日(金)~6月14日(日)
■休館日:毎週火・水・木曜(祝日は開館)
※特別整理などで休館する場合あり。公式サイト、もしくは開館日に電話にて要確認。

■主催:明治大学 米沢嘉博記念図書館
■企画協力:鈴木俊裕、白泉社、主婦と生活社、藤本由香里・明治大学教授
■問い合わせ:米沢嘉博記念図書館
 〒101-8301 東京都千代田区猿楽町1-7-1
 TEL:03-3296-4554

会場は東京都千代田区の明治大学 米沢嘉博記念図書館。コミックマーケット前代表の故・米沢嘉博氏が蒐集したサブカルチャー資料などを収蔵する。また、期間限定ながら直近のコミケで収集された見本誌を閲覧できるレアな場所でもある


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