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コミックマーケット84「見本誌の閲覧提供」サービスを体験してみた!

幻の「艦これ」スタッフ本を米沢嘉博記念図書館で読む方法

2013年09月20日 16時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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「俺は、読んでる」とばかりに同人誌を読みふけるASCII.jp編集部員。ここはコミケ会場でしょうか? いいえ、図書館です

C84で入手できなかった同人誌を閲覧できる
「見本誌の閲覧提供」サービスがあるという

 コミックマーケットで、お目当ての同人誌がゲットできなかった──これはコミケ参加者なら、一度は経験したことのある悩みではないだろうか。市販された本ならいざ知らず、コミケで頒布されたものとなると、機会を逸してしまうと読むことは相当難しい。

 今回のコミックマーケット84(以下、C84)では、何といっても「艦隊これくしょん~艦これ~」のスタッフ本だろう。現地では即完売、その後の委託販売も瞬殺が続いており、半ば「幻の一冊」と化している。

 しかし! この艦これスタッフ本を……もとい、C84において新刊頒布された同人誌を、いとも簡単に閲覧する方法がある。「明治大学 米沢嘉博記念図書館」で、「見本誌の閲覧提供」サービスなるものが実施されているのだ。

 そもそも「見本誌」とは、同人イベントなどでサークルが頒布する同人誌が、事前に見本としてイベントの主催者側に提出されたもの。内容のチェックを終えた見本誌は、資料として主催側(コミケでは「コミックマーケット準備会」)が所有、保存するケースが多い。その見本誌を米沢嘉博記念図書館では下記の期間、専用の申請手続きにより、閲覧室内で読むことができる。

事前閲覧請求受付期間

 2013年8月16日(金) ~11月4日(月)(受付・着便)

事前閲覧請求提供期間

 2013年8月30日(金) ~11月18日(月)

閲覧提供期間(当日請求受付期間)

 2013年8月16日(金) ~11月18日(月)

C84の見本誌が読める場所は、東京都千代田区の「明治大学 米沢嘉博記念図書館」。コミックマーケット前代表 故・米沢嘉博氏が生前蒐集していたまんが・雑誌・書籍などを収蔵する閉架式の図書館だ


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 申込の方法だが、まず「C84 見本誌の閲覧請求の方法」(PDF)をよく読み、「C84見本誌の閲覧請求票」(PDF)を記入、提出すればよい。また、ウェブ経由でも閲覧請求は可能だ(外部リンク)。

 ……といっても、「実際にどうやったらいいの?」と思う人もいるはずなので、明治大学 米沢嘉博記念図書館とコミックマーケット準備会から取材許可を得た上で、実際に編集部員が閲覧しに行ってみた。決して自分が読みそこねた同人誌が読みたかったという個人的な動機ではないので、そこのところは承知していただきたい(小走りで現地に向かいながら)。

見本誌の閲覧は、2階の閲覧室(計30席)で行なう。周囲は貴重なまんが雑誌・単行本に囲まれている。これらは蔵書のほんの一部で、総蔵書数は14万冊以上にのぼるという

 さて、見本誌の閲覧だが、閲覧するには図書館の「1ヵ月会員」、もしくは「一般会員」の登録をする必要がある(それぞれ2000円・6000円、登録時身分証必要)。未登録の人はもちろん、「1日会員」の人も閲覧できないので注意しよう。なお、明治大学学生および教職員は会員登録不要だ。

事前に会員登録を済ませる必要がある

会員証と、ポイントカード。ポイントカードは出納手数料や、蔵書のコピーの際などに使用する

 閲覧の申請に関しても、留意してほしい点がいくつかある。まず当たり前の話だが、C84に出展していても、新刊がなかったサークルについては見本誌がない。また、CDやDVDなどの媒体に記録され、閲覧に装置を必要とするものは、閲覧提供されていない。さらに館外貸出し、および複写サービスも行なっていないので、その点にも注意したい。

 特に気をつけなければならないのが「委託」の場合。たとえば、Aというサークルの新刊が、Bというサークルに委託されて頒布されていたとする。この場合、C84で新刊を頒布したのはあくまでもBだ。そのため、見本誌を申請する際にはAではなく、Bのサークル名などを記入する必要がある。

 さらに言えば、C84の2日目に出展したサークルの新刊が1日目のサークルにも委託されていた場合、見本誌としては1日目のサークルで登録されている可能性もないとはいえない。そのため、閲覧を希望する際にはそのあたりをしっかり下調べしておきたいところだ。

こちらにサークル名などを記入する。スペースナンバーの「○○a」と「○○b」などを書き間違えないように気をつけよう

もちろんカタログも用意されてはいるが、当日図書館に来て、その場で探して……というのは時間がかかり過ぎるのでオススメしない

「最終的にはこちらでやりますけれども、できればご自分で、見本誌を読まれたいサークルが新刊を出しているかチェックしておいていただければと思います。サークル名、曜日、ブロック、スペースナンバーは特に気をつけてください。もちろん明らかなミスがあればこちらからお問い合わせしますが、そのぶん出納が遅れてしまいますので」(米沢嘉博記念図書館スタッフの山田さん)

 というわけで事前登録を済ませた編集部員は、閲覧請求票を受付に提出。2週間後に再び図書館を訪れることにして、ひとまず帰社した。果たして艦これスタッフ本……いやいや、閲覧請求した同人誌を読むことはできるのか?

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