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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第65回

Apple Watchとデジカメでの既視感

2015年05月13日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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4月17日、長野県上田市にある上田城の夕暮れ。ちょっと時期が遅かったか、葉桜になった桜の木から櫓を見上げる。葉の緑、花弁が落ちた花の赤と、繊細でカラフルなんですね。ソニーα7 IIとFE 35mm F2.8 ZAで撮影

カリフォルニアの渇水は本格的な事態に

 バークレーのアパートの郵便受けに、管理会社から手紙が来ていました。管理会社と住人の双方で節水に努力しましょう、という内容のものです。これまでも報じられてきた通り、カリフォルニアの渇水が本格的にまずいレベルになりつつあります。

 サンフランシスコやバークレー、シリコンバレーを含むベイエリアで水道サービスを提供しているEBMUDは、7月1日から水道代の8%値上げと、使用料が大きな家庭に対して、最大25%のサーチャージを課すことになりました。

 管理会社側は、各住居の水漏れの確認を全戸で行うなどの対策に乗り出しています。一方、住人に対しては、節水に心がけるよう要請しています。節水、大切ですよね。しかし、水道代を各戸で支払っている日本の感覚からすると「なぜ管理会社がそんな呼びかけを?」と思われるかもしれません。

 というのも、筆者の住処も含む「アパート」は、水もお湯も家賃に含まれているからで、建物として管理会社が水を支払っています。そのため住人は結果的に「使い放題」です。だからこその節水の呼びかけ、というわけです。

 ただしその内容がぬるすぎます。手紙には5項目のTipsが挙げられていました。

・シャワーは5分で済ませる
・顔を洗っているとき、ひげを剃っているときは、水を出しっ放しにしない
・食器を手洗いする際、シンクに水を溜めて洗う
・トイレをゴミ箱のように使わない
・水漏れを報告するように

 その程度でも節水になるほど、米国の人々は水を出しっ放しなのでしょうか。

最近のカメラの手ブレ補正のスゴさ

 前置きが長くなりましたが、ついでにもう一つ前置きを。東京での1ヵ月の間に、最新のカメラ2機種をレビューする機会がありました。2015年は本気でカメラを買い換えようと考えており、ちょうどレビュー記事の企画もあったので、各メーカーにお願いしてお借りすることにしたのです。

 1台はオリンパス「OM-D E-M5 Mark II」、もう1台はソニー「α7 II」です。どちらもミラーレス一眼のカテゴリに属する上位機種で、前者はマイクロフォーサーズ、後者はフルサイズセンサーのEマウントモデルです。

 一応作例として。冒頭の写真はα7 IIで撮影した夕刻の上田城。柔らかながらたくさんの色がくっきり再現されていて、魅惑の景色を切り取ることができました。

 そして以下の写真はE-M5 Mark IIで撮影したApple Watchです。後者はキットのズームレンズにマクロモードがあり、便利に撮影することができますね。

Apple Watchのコレクションで最高峰、10万円を超えるリンクブレスレットの組み合わせ。1つ1つのコマを工具なしで外すことができる少しやり過ぎの仕様。ただ、側面は露出しており、キズつけないよう使うのは難しい。オリンパスOM-D E-M5 Mark IIで撮影

 この2つのカメラに共通していることは、液晶ビューファインダーがあること、とにかく手ブレ補正がすごいこと、そしてWi-Fiに対応していること。特に驚かされるのは、5軸手ブレ補正です。両方ともシャッターボタンを半押しすると、ビシッと止まります。構えたまま肩で回転しても、カクカク動くほど。上下動、前後動、ねじれなどがよく押さえ込まれています。

 4年以上前の自分が持っている機材もまだまだきちんと使うことができますが、この間にデジタルカメラの“何か”が変わったように感じました。隔世の感、とでも言うべきでしょうか。

スマホ化に対する(スマホ以外の機器の)サバイバル

 その変化は月並みではありますが、スマホ化に対するサバイバルという評価でしょう。僕も含めて、スマートフォンで写真を撮る枚数は格段に増え、「とっさに手元にあるカメラ」として重宝しています。

 いくら高性能、高画質であっても、この「とっさに手元に」なければスマホに勝てません。しかも、最近のiPhoneは、街中のビルボードで写真展を開くほどに、作品を生み出すカメラにもなってしまいました。

 そこで、デジタルカメラとしてどう生き残るのか、各メーカーのフラッグシップカメラの取り組みはとても興味深いものがあります。ニコンやキヤノンは、プロの道具として画質の追究とあらゆる意味での使い勝手の良さ、そしてレンズマウントを代表する「変わらないこと」を追究することでしょう。

 一方、オリンパスとソニー。この2つのメーカーは、もう少しアグレッシブに、スマホ化に対するサバイバルを切り抜けようとしているように映ります。

 オリンパスはマイクロフォーサーズというコンパクトなシステム特性を生かし、またソニーはフルサイズという、前述の「プロの道具」に迫るセンサーを使っていながらミラーレスによって、「とっさに手元に」という価値を作り出そうとしています。

 スマホの大型化で増えてきた手ぶれによるミスショット。強力な5軸手ぶれ補正は、コンパクト化の代償として不利になる手ぶれを「絶対に許さない」という覚悟が見え隠れします。これはスマホではまだ体験したことがない世界でした。

 一方で、撮った写真をすぐシェアしたい、というニーズを叶えるため、Wi-Fiを内蔵しています。スマホアプリを用意し、撮った写真をすぐにソーシャルメディアなどでシェアできるようにしています。

 その上で、カメラとして「撮る楽しみ」という価値を与え、写真を撮ることを目的にしてもらえるようにすること。そんなメッセージが込められているように感じました。


(次ページでは、「それではApple Watchは、何をもたらすか?」)

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