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マイクロソフト・トゥディ 第143回

ICTの積極取り込みに舵を切る愛媛県 - 日本MS 樋口社長・愛媛県 中村知事対談

2015年05月08日 12時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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 日本マイクロソフトと愛媛県は、第142回「“サイクリングの聖地”愛媛県はどのように生まれたか - 日本MS 樋口社長・愛媛県 中村知事対談」で紹介した「愛媛マルゴト自転車道」のほかにも、地域活性化協働プログラムとして、複数の取り組みを行なっている。

 障碍者や障碍者のサポーターを対象に、ICTスキル習得を図るセミナー/講座を開催する「障碍者向け支援プログラム」、NPOを対象にICT利活用方法の習得するためのセミナーなどを通じて県内のNPO活動を強化する「NPO基盤強化プログラム」、中小企業などの技術者を対象にクラウドサービスやアプリケーション開発などの高度なICT技術者の育成を行なう「高度人材育成プログラム」だ。日本マイクロソフトは、愛媛県に対して、2015年3月31日まで各プログラムを提供した。

日本マイクロソフトの樋口泰行社長

愛媛県の中村時広知事

活動を継続的に推進できるキーマンが育っているかどうか

樋口 マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツは、自らが持つソフトウェア技術を使って、社会にお返ししたいという姿勢を持ち、企業全体で社会貢献活動を行なっています。

 そして、マイクロソフトの社会貢献活動は、ビジネスとはまったく切り離したところで行なっているのが特徴です。自治体との協業もそのひとつで、ICTを活用することで地域活性化に大きく貢献できます。首都圏と物理的に場所が離れている自治体でも、距離的なハンディキャップが埋めることが可能ですし、障害者や高齢者といった、従来積極的に社会活動に参加しにくかった方たちにも、ICTによって新たなパワーを与えられます。

 今回の愛媛県との協業では、「障碍者向け支援プログラム」「NPO基盤強化プログラム」「高度人材育成プログラム」の3つのプログラムを提供したわけですが、こうした支援だけに留まらず、自転車を通じた地域活性化にまで取り組みの幅を広げた点が新たな成果といえます。

 日本マイクロソフトは、2009年から開始した「地域活性化協働プログラム」を開始し、これまでに11自治体にプログラムを提供してきました。

 それらの活動を通じて感じたことは、我々が側面から手伝うだけでは意味がないという点です。1年間協力して、そこで我々が引き揚げたら、また同じ状況に戻ってしまうのでは意味がありません。活動を継続的に推進できるキーマンが育っているかどうかが重要な点です。これは、首長の意識次第でもずいぶん違いますね。

 愛媛県での取り組みでは、その点でも効果があったと考えています。今回の愛媛県との地域活性化協働プログラムの成果には、80点、90点の評価はつけられると思っています。

中村 民間企業とのタイアップには、様々な方法があります。経済活動のほか、医療や福祉、障害者支援、地域活性化などです。一方、ICTは様々な領域において支援できるツールでもあります。

 たとえば、これまでの障碍者の就労支援では、収入が低い単純作業が中心になりがちだったものが、ICTのスキルを磨くことで、新たに創造するためのツールを手に入れることができ、起業する可能性も生まれる。ICTは多くの領域において、威力を発揮するものだと考えています。

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