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用意するガジェットも増え、試行錯誤を繰り返す。まさにギーク向き

これが本物のサードウェーブコーヒー、ネットで話題の抽出法を試す

2015年04月12日 12時00分更新

文● 四本淑三

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この記事は「フリスビーメーカーが作るコーヒー抽出機はなぜネットで人気?」の続きです。前回と合わせてご覧ください。

 新型コーヒーメーカー「エアロプレス」がおもしろいのは、インターネット以降に生まれたコーヒーの抽出法であることです。

 誰が使っても簡単に美味しいコーヒーが淹れられるわけですが、もっと美味しくならないか、簡単に淹れられないかと、個々のユーザーがその最適値を探り合い始めました。それを加速したのがインターネットというわけです。

 ついにはメーカーが想定していない「倒立法」という、ユーザー発案の抽出法まで登場するに至ります。流儀は個々にあれど、作法に縛られず自由に発想できる。その点で、コーヒー界のニューウェイブというのは、どこかのコーヒーチェーンの戦略などではなく、エアロプレスのことだったのではないかと思うくらいです。

 さて、その倒立法ですが別名「インバート法」とか「アップ・サイド・ダウン」とか呼ばれています。そうした呼ばれ方の通り、ひっくり返したエアロプレスにコーヒー粉とお湯を注ぐという方法です。

倒立法のメリットは濃いコーヒーが飲める

 まず、当たり前に「正立」で使うエアロプレスは、ペーパーフィルターがチャンバーの底になります。したがってお湯を注ぐと、そのままポタポタと滴り落ちるわけです。要するにペーパードリップと変わりません。

 そこにプランジャーを押しこむと、薄い抽出液が押し出されてしまいます。もちろんプランジャーを止めれば、大気圧と表面張力の関係でそれ以上コーヒーが滴ることはありませんが、それまでの間に、カップには結構な量の薄いコーヒーが溜まっているわけですね。

 もっとも、エアロプレスはなるべくスピーディに抽出することで、スッキリした味を狙っているようなので、これはこれでプロセスとして正しいわけです。

 ただ「オレはもっと濃いのが飲みたい」「もっと蒸らせたらいいのに」という方には不満が残ります。特にコーヒーの焙煎具合や挽き方によっては、もうちょっと時間をおきたいこともあるでしょう。

 そこで「倒立」させ、プランジャーのゴム製シーリング剤を底にして、コーヒー粉とお湯を入れれば、滴り落ちることはないわけです。

倒立法の手順その1 プランジャーを上に向けて立てます

倒立法の手順その2 そこにチャンバーをある程度の深さまではめ込みます

(次ページでは、「倒立法のデメリットは?」)

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