ホーム画面にコンテンツが表示できるScopesが特徴
サービス事業者にScopesの開発を促す
Androidが8割のシェアを占める中、どうやってユーザーにアピールしていくのか。もちろん、「世界に1300万人」というUbuntuファンのクチコミだけに頼るつもりはない。Parrino氏はスマートフォン戦略にあたって、「新しさ」を強調する。
「AndroidやiOSと同じようなものを作って、勝算があるとは思えない」と語るが、その差別化部分は最大の特徴でもあるScopesだ。Scopesは画面上に表示されるコンテンツで、今日(Today)、ニュース、音楽などテーマ別のScopesがある。
たとえばTodayのScopesにある天気予報は、Weather Channelからのフィードであり、クリックするとiOSやAndroidと同じ外観になる。「違いは開発に要する時間が半日ですむこと」とし、キャリアや端末メーカーにしてみればカスタマイズのチャンスでもあり、BQはデバイス情報などを集めたScopesを提供しているという。
Canonicalでは現在、ISVやアプリ開発者にScopes開発を呼びかけており、たとえば音楽サービスのSoundcroudは簡単でコストがかからないこと、iOSやAndroidとは異なり自分たちのサービスがホーム画面に統合されることなどを評価して、BQ発売前にScopesを開発したという。
「iOSやAndroidなら、ユーザーがアプリストアにいって自分たちのアプリを探してもらう必要がある。たくさん並んでいるアイコンの1つにすぎない。だがUbuuntuなら体験の一部となり、コンテンツが画面に直接表示される。これはアプリ開発者にとって価値あるものだ。発見される可能性が高く、エンゲージも強い」と説明する。
MeizuとUbutuのコミュニティーの力を活用
まずは中国、その次はアメリカ
さて、MWCではBQのUbuntuスマホに加えて、MeizuのUbuntuスマホも披露した。これは昨年秋に発売したAndroidベースの「Meizu MX4」のUbuntuエディションとなる。まずは欧州で、その後中国で展開する。
だがその中国市場は、Xiaomi大旋風が吹き荒れ、Lenovo、Huaweiと大手ぞろいだ。だがParrino氏は楽観している。「UbuntuスマホでMeizuとの提携を発表した日、Meizuのフォーラムには数十万単位の書き込みがあった。またBQフォンのローンチ後に写真をWeiboに載せてみたところ、24時間で20万のビューがあり、約200件のメッセージを受け取った。私は中国語がわからないし、Weiboにフォロワーはいなかったのにだ」。
ちなみに、受け取ったメッセージの半分は「いつMeizuから登場するのか?」で、残り半分は「なぜiPhoneから投稿しているのか?」だったという。そこでParrino氏が「WeiboのScopesがないからだ」と回答したところ、4時間後には、Ubuntu向けのWeiboアプリが公開されたとのこと。「これがUbuntuコミュニティーの力だ」と誇る。
現在の最大のフォーカスは、「最初のBQユーザーに満足してもらうこと」というが、平行して市場の拡大戦略を進める。まずは今年夏のMeizuの中国ローンチ。そしてその次は米国だ。「Ubuntuユーザーの20%が米国」とParrino氏はその理由を明かす。米国での端末はBQなのかMeizuなのか、新しいOEMになるのはまだ未定とのことだ。
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