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今年も話題のスマホがたくさん発表! MWC 2015レポ ― 第31回

Ubuntuのスマホ戦略はコミュニティー Ubuntuスマホにシャトルワース氏も満足

2015年03月23日 17時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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 Ubuntuを開発する英Canonicalは「Mobile World Congress 2015」で、2月にBQから発売されたばかりの初代Ubuntuスマートフォン、そして2機種目となるMeizuの端末を披露した。

 後者は欧州では2ヵ月以内に発売開始する予定で、その後中国市場にも進出する。Android対抗を明言するUbuntuにチャンスはあるのか? 同社のモバイルとオンラインサービス担当バイスプレジデントCristian Parrino氏に話を聞いた。

中国のMeizu製のUbuntuスマホが展示

モバイルにとどまらず、IoTやクラウドまで
コンバージェンスがUbuntuの構想

 今年のMWCはUbuntuにとって特別なものとなった。2013年のMWCでFirefox、Tizen、Jollaなどと同時にモバイル進出を明らかにしたあと、なかなか実際のモバイル端末が実現しなかったからだ。今年はブース内に製品を展示し、Ubuntuの世界を見せることができた。

搭載スマホの登場でMWC内のUbuntuブースも盛り上がっていた

 会場を動き回っていたのが、Ubuntuの創業者であり現在COOを務めるMark Shuttleworth氏だ。Shuttleworth氏は満足顔でBQのスマートフォンを見せてくれた。2013年夏に調達額3200万ドルという野心的な目標を掲げてクラウドファウンディングプロジェクト「Ubuntu Edge」を開始したが、目標額に達することはなかった。

 Shuttleworth氏は、「(Ubuntu Edgeは)失敗したが、あの当時目指したスペックに近いものが可能になっている」と余裕を見せる。Ubuntu全体を見ているShuttleworth氏は、スマホにとどまらない”コンバージェンス”という大きな構想を打ち立てており、MWCではIoT戦略やクラウドも展示テーマの1つとなっていた。

おなじみシャトルワース氏もブースをうろうろ

 会場にはUbuntuスマートフォンと同じコードが動くタブレットも展示しており、Ubuntuが描くコンバージェンスを語ったShuttleworth氏は、数年前に導入された際にコミュニティーで不評を買ったUnityについて誤りを認めるとともに、「モバイルの登場で、自分たちがなにがやりたかったのかをわかってもらえると思う」と語った。

Ubuntuが動くタブレットも展示、キーボードとドッキングするとデスクトップモードに変わる

シャオミに類似したフラッシュセールで話題作り
一般店舗での販売は1年後からをメドに

 といっても、Ubuntuスマートフォンは決して順調な船出ではなかった。2014年末に予定していた初の端末は遅れ、2015年2月、やっとBQから「Aquaris E4.5 Ubuntu Edition」として登場した。

今回詳しく話を聞いたモバイル&オンラインサービス担当バイスプレジデントのCristian Parrino氏

 一方で後発ならではの工夫がいくつかある。まずは販売手法。BQとCanonicalはXiaomiの手法でもおなじみのフラッシュセールを行なっている。すでに4回のフラッシュセールがあり、すべて時間内に売り切れ。まもなく5回目が行われる予定だ。

 Parrino氏によると、フラッシュセール手法を選んだ理由として製造とマーケティングの2つがあるという。「(Ubuntuスマホは)まだ新しく、フラッシュセールならメーカーはリスクを回避できる。マーケティングでは我々にはSamsungの予算はないが熱狂的なコミュニティがある」とする。

 もちろん、中国のXiaomiに学んだことも隠さない。「中国ではXiaomi、Meizuなど名もない企業がフラッシュセールで成長している。彼らの素晴らしいところは、マーケティングではなくユーザーにフォーカスしていること。すぐれた製品や技術をユーザーに届けることを重視しており、ユーザーコミュニティが活発になり広まっていく。このモデルを我々も作りたい」と語る。

 BQのフラッシュセールについては、ユーザーコミュニティーの間にフラッシュセールは止めてほしいという声も聞かれた。Parrino氏はこれに対し、この手法は長く続けるのではなく将来的には実店舗でも販売するとする。

 だが、その前に3つの課題をクリアする必要があるという。1つ目はUbuntuコミュニティーの外に知ってもらうこと、2つ目はアプリに変わるエコシステムである「Scopes」をはじめとした成熟度、3つ目は製品の認知度だ。「ショップに行っても”Ubuntuスマホ? なにこれ?”となり、Samsungにいってしまう。最初のユーザーが広げていく口コミが必要だ」とし、小売店での販売開始は1年先を予定しているという。

 ソフトウェアについても「最初のユーザーがとてもハッピーだと思ってもらえることが最重要課題」であることから、現在月1回のペースでアップデートを行なっていく。安定してきたら半年に1度にするとのことだ。

 キャリアについては、スペイン、スウェーデン、イタリア、イギリス、ポルトガルからそれぞれ1キャリアがUbuntu向けのデータパッケージを提供するが、上記のような事情から、キャリア経由での発売はかなり先になるとの見通しだ。


(次ページでは、「ホーム画面にコンテンツが表示できるScopesが特徴」)

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