ソニー時代ではありえなかったことをやった
── 「VAIO Z」のプロジェクトは、いつ始まったものなのでしょうか。
花里 新会社設立後から本格的にスタートしました。ただ、載せる技術はソニー時代から準備を進めていましたね。
── 技術といえば、国内のメーカーの技術を結集して開発された製品である点も話題となりました。こちらは新生VAIOの特徴かと思っていたのですが、これもソニー時代からあったのですか?
花里 例えば東レさんとずっと一緒にやってきたように、あれは過去から続けてきたものなんです。それを表に出すということが、今までにない、新会社だからこそできる試みでした。ソニー時代ではありえなかったことです。
── 国内メーカーでは垂直統合や自社生産を重視します。協業を積極的にアピールするのはVAIOという新しい会社だからできたことなんですね。
花里 はい。製品発表当日に、一般のお客様に集まってもらうイベントも過去1度あったかどうかというくらい。生中継をするのも初めてでしたね。それと「VAIO Z Canvas」の、「開発段階からお見せする」なんてのは過去絶対にやらなかったことですね。
「いま世の中にないもの」という意味ではVAIO ZもVAIO Z Canvasも同じですが、VAIO Zに関しては「これがVAIOだ」と我々から提案する意味合いが強くあります。だからこそ、発表も突然のタイミングになりました。反対にVAIO Z Canvasは、お客様からのフィードバックを反映させながら開発を進めてきた製品です。今までにないコミュニケーション方法を含め、新しいことをやってきたつもりです。
── 海外からの反応もあったのではないですか?
花里 VAIO Z Canvasについて「Adobe MAX(※)に出したのになぜ米国で売ってくれないんだ!」という声など、沢山頂きました。海外展開も検討を進めている最中です。
※「Adobe MAX」:アドビが開催するクリエイター向けイベント。2014年10月のロサンゼルス開催時に、VAIO Z Canvasは「VAIO Prototype Tablet PC」として世界初公開された。
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